マグネット29号「リテロ&ビルド」

THINGSText: Shinichi Ishikawa (Numero Deux)

今回は僕が発行人であるフリーペーパーの最新号の紹介をしようと思う。「マグネット」は札幌にて2002年より発行しているカルチャー系フリーペーパー。年5〜6回発行。配布は市内のカフェ等飲食店やアパレルストア、美術館等のアート施設など。今まではアーティストのインタビュー(高橋幸宏、原田知世、テイ・トウワ等)やイベント(アイサミット)等の取材を行っている。

マグネット29号「リテロ&ビルド」

今回発行した29号では今までにない新しい試みを行った。それは作家と組んで、フリーペーパーという形態の「絵本」を制作・発行してみた。この絵本には「litero&bildo」(リテロ&ビルド)というレーベル名をつけて、シリーズ化を予定している。今回記念すべき「01」で一緒に絵本を制作したのは市内在住のワタナベサオリ。平面作品から、コマ撮りアニメーション、ショートストーリーを手がける新鋭作家だ。数々の受賞歴があり、代表的なアワードとしては平成19年に作品が札幌市の市長名入りグリーティングカードに選ばれアメリカ、中国、ドイツ、ロシア他、世界400ヶ国に送られた。

彼女と組んだ今回の「絵本」は5つのショートストーリーを収録した内容になっている。見開きページに1点の絵が掲載され、それにテキストが重なっている。ストーリーはトリの姿をして旅を続けている人物が、さまざなエピソードに遭遇する内容である。僕が彼女の作品に惹かれたのは、絵のオリジナリティとストーリーは時代性を感じさせず、優しげだけど甘すぎない話という部分である。このティストは僕が絵本を発行したいな、と考えていた時にずっと取り組みたいコンセプトと同じで、今後の「litero&bildo」のシリーズにも求めていきたいと思っている。なぜ、フリーペーパーの「絵本」なのか?と聞かれれば、それは本誌マグネットがフリーペーパーだったから、としか今のところは答えられない。新しい試みについて一番、得意な表現形態でトライしたかった、というのが一番の理由かもしれない。

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さて、本誌発行に関連して市内のムジカホールカフェにて、9月より原画の展示を行い、オープニングイベントとクロージングイベントも開催した。オープニングでは、お客さんに本フリーペーパーの配布と、制作者のトーク。さらに原画をプロジェクターで投射し、それを女性ナレーションで朗読。外園一馬(BASIL)によるギター伴奏つけるというショーを行った。絵本を立体的に演出した内容で、いろいろな要素がありながら、絵本のイメージを損なわずうまく表現ができたかと思う。

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クロージングのイベントでは、アートスペースアティック(ATTIC)にて、ワタナベサオリ作品紹介&トークを行なった。朗読のショーがメインだったオープニングに比べて、作家自身のトークを中心に、彼女が一番愛するストップモーションアニメの作品上映や、メイキングについてのトークを行い、深夜まで場は盛り上がっていた。

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本フリーペーパーは、10月後半より市内のカフェ等飲食店、アパレルストアや市内のアート施設等に一般配布を開始している。また、道外にも配布を計画中。この「絵本」のプロジェクト「litero&bildo」はシリーズとして継続予定である。また「絵本」を作ること僕は楽しみにしている。

MAGNET MAGNET 29 「litero&bildo01」Watanabe Saori Five Short Stories
発行:2010年9月発行
仕様:A5版、オールカラー、16P
作家:ワタナベサオリ
編集: Numero Deux
配布:札幌市内のカフェ等飲食店、アパレルストア、美術館等アート系施設
問い:qzj12432@nifty.com (Numero Deux)

Text: Shinichi Ishikawa (Numero Deux)

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