G-TOKYO 2010

HAPPENINGText: mina

アートの胎動を感じる特別な3日間。

2010年1月29日〜31日の3日間。東京発、国内トップギャラリーが集結したコンテンポラリーアートフェア「G-tokyo 2010」が誕生、盛況のうちに幕を閉じた。従来のバザー型フェアとはスタイルを異にし、明確な展示テーマに基づきアートのフロントラインを展覧会形式のユニークなアートフェアとして紹介した。鑑賞する楽しみ、質の高いアート作品を購入する楽しみを同時に体験できる場として、エルメスを特別協賛に迎えての開催だった。会場はアート業界の関係者を始め、アートに関心のある初心者からコレクター、そして海外からのアートファンなどで溢れかえっていた。

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Wako Works of Art. Photo: Keizo Kioku

ワコウ・ワークス・オブ・アートではゲルハルト・リヒターの作品を紹介。『リヒターは高度な絵画技術と多様なスタイルを持ちながら一貫して“絵画”の可能性を追求し続けてきました。 今回の展示では、彼の作品の原型ともいえるオーバーペインティッドフォトグラフ(写真の上に油彩やエナメルで描く)を 中心にご紹介します。』(同ギャラリー)。森を写した写真の上にグレイのエナメルで描いた「WALD」のシリーズなど、 新作のオーバーペインティッドフォトグラフなどを多数展示。多くの鑑賞者を魅了していた。

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Mizuma Art Gallery. Photo: Keizo Kioku

山口晃個展「柱華道」を紹介したミズマアートギャラリー。美的景観を損なう電柱を華道の様式に見立て電線や変圧器をモチーフに表現した作品だ。『現在は地中化など排除の対象になってしまった電柱ですが、本展では殊更に飾り立てることなく、内在する美の再認識を試みます。』(同ギャラリー)。大和絵のようなスタイルで過去と現代・近代を行き来し、再構築するような作品を描く。

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Gallery Koyanagi. Photo: Keizo Kioku

ギャラリー小柳では各方面で「G-tokyo」のメインイメージとして使用されていた杉本博司の作品を始め、色や光を用いて人間の知覚や視覚に訴えるような作品のオラファー・エリアソン、イメージを再構築するような作品などで知られるトーマス・ルフによる「Experiments」展を展示。

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Koyama Tomio Gallry. Photo: Keizo Kioku

小山登美夫ギャラリーの「サイトウマコト/映像の記録と記憶」展では、『単なる映像を絵画にするという作業を通し、キャンバスに落とし込むことによって、 呼び起こされる記憶のズレを確認し、何が見えてくるのかを知りたい。』(サイトウマコト)というコンセプトからつくられた作品を発表。

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TARO NASU. Photo: Keizo Kioku

また、タロウナスライアン・ガンダーによる「A Whole Hole」の展示は、東神田にある同ギャラリーでも連動企画として別作品を発表されていた。

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Ota Fine Arts. Photo: Keizo Kioku

オオタファインアーツでは2008年3月に勝ちどきに移転後、活動に加わった樫木知子など若い作家を中心に展示。その中で草間彌生小沢剛なども併わせて紹介し、孵化の季節のような形やスタイルは進化し続けているがどうやって飛躍していくかが今後も楽しみな作家を集め、立体、ビデオをも含め幅広く展示。写真の作品はイ・スギョンという韓国ソウルの作家で、「Translated vase」。韓国で李朝時代から続くスタイルの伝統的な工房で、破損したり破棄された破片を集め組み上げた作品だ。彼女自身では破片に手を加えることはなく、金継ぎのような手法はエポキシ樹脂でまずは繋げ、その上を24金の金粉で覆っている。失われた価値が再びそのものだけを集積し、新たに形づくることで新たな価値と造形としての生命感を再び息吹かせるような美しい作品だ。

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SCAI THE BATHHOUSE. Photo: Keizo Kioku

SCAI THE BATHHOUSEでは作家の名和晃平キュレーションによる、『マテリアルや技術的なアプローチとしては相互に対応しながら、しかし全く別のディメンションで表現を繰り広げている作家達による異空間を構成』(同ギャラリー)。

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ARATANIURANO. Photo: Keizo Kioku

日常のものから鉄塔のある風景などを再構築する岩崎貴宏など、アラタニウラノ「archi+anarchy(アーキ+アナーキー)」展では『根源的な視点を踏まえながら建築を捉え、さらに「Anarchy(アナーキー)」に独特の視点で都市や環境、 社会の矛盾やおかしさを浮かび上がらせるアーティストたちの作品を一堂に展示』(同ギャラリー)した。

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GALLERY SIDE 2. Photo: Keizo Kioku

所属若手作家4名によるグループ展「SEE MAX」を展示したギャラリーSIDE2では、ブース正面の壁面を覆い尽くす若きアーティスト齋藤雄介の作品が眼を捉え、他にも15にも及ぶトップギャラリーの各展示はどこもアートファンで賑わっていた。

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ShugoArts. Photo: Keizo Kioku

この「G-tokyo」との連動企画として開催された「アートと建築:今わたしたちが表現したいこと」トークセッションは、現代美術と建築の領域を相互に参照し表現の可能性を再定義するアーティストと建築家によるシンポジウムだ。その中で、「G-tokyo」のシュウゴアーツで作品を展示していた金氏徹平と若き女性建築家である永山祐子のセッションでは、それぞれが自分の作品についての解説を行い、相互に共通する視点や感性などについて話し合われた。金氏徹平の作品は既製品を使用して立体品を制作、すでに存在するものをあるルールに基づいて再構築していく。永山祐子の作品には、光や鏡などを駆使しイメージの増幅などを特徴とした空間作品などがある。金氏は既製品を集積し、永山はイメージを集積するとも言えるかもしれない。二人は、日常的なリアリティの中に見出すその振幅を表現する共通性を持っているようだ。
なお、このシンポジウムは2010年1月下旬にスタートした「A.A.R.」(ART and ARCHITECTURE REVIEW)という新しいウェブメディアと「G-tokyo」との共催で行われた。建築家を中心とした編集チームによって、建築とアートの表現の可能性を探るメディアとなっている。

このようにして、アートの胎動を感じる特別な3日間は幕を閉じた。

G-tokyo 2010
会期:2010年1月29日、30日、31日(29日は関係者のみ)
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 52F
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
info@gtokyo-art.com
http://www.gtokyo-art.com

Text: mina

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