ウェットサウンド

HAPPENINGText: Victor Moreno

このイベントで作り出す音やその構成の目的について教えて下さい。

アーティストが水中再生して作ったサウンドアートを基にオーディオコラージュを作成し、これらの作品に物語構成をミックスさせます。私が担当しているラジオ番組・リゾナンスFMの「サウンドスープ」で行っていることと似ています。サウンドスープは、様々な種類の音楽や、場所によるレコーディング、サウンドFX、映画からの抜粋、など自由に操作してミックスしています。

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光はこのイベントに必要な重要な要素ですか?

はい、非常に重要です。特に、光の量を少なくすることが大切です。一般的に、暗闇の中では音にさらに注意が行くので、ライフガードの仕事の邪魔にならない程度の必要最低限の光を水中ライトに使用しています。

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これまでの巡回ツアーの反響はいかがでしたか?

ツアーは非常に素晴らしく、地元の自治体やアーティストからも非常に良い反応を頂きました。イギリスに2度、ノルウェー、コペンハーゲン、ストックホルムにも訪れました。ストックホルムでは、1905年にアールヌーボースタイルで建設された今まで見た中で一番ゴージャスなプールで、パフォーマンスアートのプロモーターのフーチー・クーチーとコラボして興行しました。ヘルシンキでは、晴れた日の屋外オリンピックプールを使用して、ヘルシンキフェスティバルの一環として、ケミアリセット・イスタヴァトのライブバンドとスキューバパフォーマーのユッタ・アアルトとパフォーマンスしました。トロンハイムでは、フリーダイバーの水かきの上にコントローラーを置いて音を演出しました。ロンドンでは、2つの異なるサウンドシステムを用意。サウンドアーティスト2組がそれぞれを演奏する音を、その用意した2つのサウンドシステムを通じて3つに区別したサウンドスペースを作り出し、水の中にいる聴衆の場所に応じてミックスさせるというものでした。全てのインスタレーションがプールの場所、聴衆の場所など異なります。聴衆にはあらゆる年代層がいて、今までサウンドアートを聞いたことない人、チャート音楽以外には興味を持ったことがない人が、夢中になっているのを見ることができました。

ヨーロッパ以外のプロモーターが、このショーを呼び込みたい場合はどうすればいいでしょうか?

企画内容を私に連絡下さい。サウンドアートギャラリー同様、聴衆によって異なるいくつかのウェットサウンドのセッションがあります。私に必要なのはプールだけです。

ブリティッシュカウンシルは素晴らしい機関ですが、このようなイベントを行うにあたり非常に重要な役目を果たしていると理解していますがいかがですか?

ブリティッシュカウンシルはスカンジナビアツアーの資金を援助してくれました。

他に携わっているプロジェクトはありますか?

スクラップクラブを共同制作しています。スクラップクラブは公共の破壊主義者活動のひとつで、聴衆は、様々な家庭器具、コンピューターや家具や車などを粉々にします。アムステルダム、ニューキャッスルで行い、非常に面白いものでした。

先ほど述べたように、毎週放送するラジオ番組のサウンドスープではサウンドコラージュを行っています。まだ始めたばかりのとても面白いサウンドプロジェクトにも関わっていますが、ウェットサウンドは来年に向けて、さらに面白い方向へ向かう予定です。

Joel Cahen
Creative Director Curator, Newtoy
TEL : +44 (0)7908 374 952
joel@newtoy.org
https://www.newtoy.org

Text: Victor Moreno
Translation: Kazunari Hongo

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