
オーストリアのファッションシーンを支えるビジュアル表現者たち。
ここ数カ月の間、オーストリアンファッション.NETとSHIFTとの共同活動において、オーストリアのファッションの世界を読者に繰り返し伝えているが、クリエイティブなローカルファッションシーンの影響を調べるなら、もう1つ別の側面を考慮に入れるべきだろう。最も活気があって最も創造的なファッションシーンは、それを映し出し、捉えることのできるイメージと同じようにしてのみ視覚化されるのだろう。
当然のこととして、最高なファッションアバンギャルドは、素晴らしい地元のフォトグラファーや視覚的魔法使いのバックアップなしには国際的な名声に近づくことすら出来ないのだ。そこで、非常にシンプルな例をここで出そう。大学を卒業したばかりの新人ファッションピープルにとって、初のルックブック撮影の為に国際的に有名な写真家に支払う予算はない。この理由から、私たちはウィーンに拠点を置いている7人の傑出しているファッション・フォトグラファーの作品の簡単な紹介をしてオーストリアのファッションシーンを伝える進行中のシリーズを続け、過去数年間にオーストリアで起こっているファッションブームへ本質的に役立ちたいと考えた。

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© Michael Dürr for faq magazine
マイケル・デュル
もしボディの完璧なコントロールが、写真家への成功の道への予備条件とされるなら、マイケル・デュルは最高な自信と気楽さで先を見据えることができるだろう。彼がカメラの後ろ側に立って働き始める以前、彼の得意分野は体操器具と飛込台だった。しかし、幸運なことにオーストリアのファッショニスタである彼は、写真の世界に転向。 すでにブラジルのカーサ・ヴォーグ、セルフ・サービス、パープル・ジャーナルなどの国際的な出版物とコラボレーションする傍ら、出版されたばかりのファッションとカルチャーの季刊誌「faq magazine」など国内雑誌で多数活躍。彼が最近考案したのは、オーストリアと海外のおもしろいロケーションで撮影したファッション連続写真を映写する、進行中のシリーズ。度肝を抜くこと間違いなし!
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© Elisabeth Handl for Bob magazine
エリザベス・ハンドル
若手写真家、エリザベス・ハンドルのウェブサイトは、かなり機智に富んだアドレスを持つ。ウェブサイトのURLにある「Fotosoesin」とは、ドイツ語で女性写真家という素敵な意味があり、カメラの後ろの人は常にすべてを真剣に受け止め過ぎる必要はないことを意味している。結局、私たちは皆人間に過ぎない、ですよね…?エリザベスがグラフィックデザインを学んだウィーン応用美術大学は、ファッション、ペインティング、グラフィックデザイン、メディア・アートなど異なった学部が他の分野を刺激し合いつつ近接して機能し、都市の主なクリエイティブ・プールの1つでもあり、重要なネットワークハブでもある。彼女が勉強を終えて以来、エリザベスはフリーランスの写真家兼グラフィックデザイナーとして働き、オーストリアで最も輝いている雑誌(例えば、ディーバやウィーンマガジン)の多くに貢献しながらも、写真の、より概念的で芸術的な方向を追求した。ごく最近からは、XDesignと呼ばれる写真家とデザイナーの新しい集団を共同設立することにより活動の分野を広げ、彼女はそこで書物の刊行やその他今後が楽しみなビジュアルプロジェクトを担当。更なる活躍に期待大!
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© Andreas Waldschütz, "Villa Maund" editorial shoot
アンドレアス・ウァルシュッツ
ちょうど30歳を回ったばかりのアンドレアス・ウァルシュッツだが、彼は既に相当数の国においての人生や仕事の経験をしている。ウィーンで成長し、オーストリアの首都が非常にちっぽけな所とわかった後、彼は荷物をまとめると、新たな土地を切り開きに向かった。カリフォルニアもそのひとつで、彼が目指したサンフランシスコでは映画制作会社に関わることに。カリフォルニアで2年過ごした後、彼はヨーロッパへ戻り、ベルリンを経てロンドンに移住。彼は大いに旅行して、非常に贅沢なロケーションで(本当にアンドレアスはスタジオ写真のよき友ではないのだ)の美しい制作写真で有名になり始めたが、再び彼が現在暮らしているウィーンを彼の拠点とすることに。例えば、私は西オーストリアの山岳地帯のどこかのヴィラマウンドでの彼のエディショナルショットが大好きで、それはグルジア生まれの新星デザイナージョージ・ベザニスヴィルとのコラボレーションによるもの。
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© Irina Gavrich for Anna Aichinger
イリーナ・ガブリッチ
ファッション写真におけるウィーンの才能溢れる人たちの中でも、イリーナ・ガブリッチは確実に知っておく価値がある名前だろう。ウクライナ生まれのイリーナは、グラーツでOrtweinschuleを卒業した後に、ヴォーグUKやハーパース・バザー・ロシアなどの国際的な雑誌で活躍するなど迅速にその活動の場を広げてきた。 それとは別に、彼女はまた新進気鋭なファッションデザイナーのアンナ・アイヒンガーとも友人であり、彼女のルックブックを頻繁に手掛ける写真家でもある。アイヒンガーのコレクション「アルファガールズ」では説得力ある写真による言語でそのコンセプトをサポートした。概して、イリーナはシーンの本質を理解し、彼女の直観により見抜くことができる、まさにその「決定的瞬間」(アンリ・カルティエ=ブレッソンの表現から引用)にシャッターをリリースするという、彼女の持つ才能を信頼している。
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© Peter Garmusch, "Souvenir" photo series
ピーター・ガームッシュ
彼がサッカーで運を見つけたなら(数年ほど彼は挑戦したそうだ)、ファッションと芸術写真の世界では、その素晴らしい才能を失っていただろう。 オーストリア・シュタイアー生まれの写真家ピーター・ガームッシュは長年様々なウィーンや国際的な雑誌で定期的に活躍。また、現代写真を専門に扱うウィーンを拠点とするモメンタム・ギャラリーに所属。私は幸運にも写真スタッフとしてピーターがいた雑誌出版社で働いていて、世界中のクリエイティブでホットなスポットから彼が送ってくるイメージを受け取るのを待ちきれずに、とても楽しみにしていたことを覚えている。彼は、力強いビジュアルの表現力と素直さをもっているファッション・フォトグラファーであり、扱いにくいトピックさえも手掛けるひとりだ。フレアー・モンダドーリ・マガジンのオーストリア版が、昨年初めて地元のファッション・フォトグラファーとコラボレーションすることを決めたとき、ピーターがその仕事を手掛けることに。そして彼は、月のような風景の中のエディショナルショットで印象的なゴールを決めた。ピーターは彼の作品で人にそのイメージについて考えさせることに成功すると同時に、人はその美しさを高く評価した。
マーチン・ストービッチ
もしクリアなフォーム、形、および色に興味を持っているなら、マーチン・ストービッチが適任かもしれない。彼はファッションデザイナーのアンナ・アイヒンガーの散らかった机の写真を撮ったり、(どうやら最後の一息を吐き出そうとしている観葉植物のフィロデンドロンの)鉢植えの前にある実際には古過ぎる1組のコンバーススニーカーを演出するのを気にしないだけではないだろう。
かなりの数の国際的な仕事により、マーチンは、ブエノスアイレスやベイルートで出くわすチャンスのあるハードな旅行写真家のひとりである。心して聞いてほしい。ニューヨークのメトロポリタン・オペラは彼のクライアントのひとつであり、スポーツウェアのプーマも同様だ。マーチンはオーストリアのシーンで活躍する多くの若手の才能ある人たちと馴染み深く、既にヴィルフリード・メイヤーやウテ・プロイアーのような活躍の目覚ましいデザイナーとコラボレーションしている。

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© Mark Glassner for Ute Ploier
マーク・グラスナー
写真家のマーク・グラスナーについて最も興味深いことは、少なくともそれは、マークが重要なある編集の賞を受賞した後に、オーストリアのデイリー・ニュースペーパー「Der Standard」のファッション・エディターが、発行されたポートレートについて述べたことであり、彼が数年間積み上げてきた多くのプロの一面である。彼の仕事はファッション・フォトグラフィー、ビデオアートの他、驚いたことに医学研究にまで及ぶ。この広い関心分野のためか、彼のファッション写真の中で繰り返し出現するモチーフは、重力の法則を覆すものであり、同様に衝撃的な建築構造をゆるく組み込んだものだ。なので、マークの作品では、モデルが横たわっているのか、何かにもたれているのか、または垂直に立っているかをすぐに言うことができないだろう。彼の素晴らしい作品の一例に、彼がメンズウエアデザイナー、ウテ・プロイアーの2010年スプリングコレクションのルックブックがある
Text: Daniel Kalt from AUSTRIANFASHION.NET
Translation: Yuya Masumoto