クスタ・サキシ

PEOPLEText: Mariko Takei, Kazumi Oiwa

12月のSHIFTカバーデザインを手がけてくれたクスタ・サキシ。皆さんも一度はどこかで、彼の作品を見た事があるのではないだろうか?
その美しい景観と、サイケデリックで奇妙なキャラクターが登場する彼の作品は私たちの脳内を酔わせ、幻覚を起こさせそうなくらい、強くインパクトに残る。
数多くのプロジェクトに携わり、今月にはアムステルダムにあるマクサロット・ギャラリーでの個展開催も控えるクスタ・サキシに話を伺った。

Kustaa Saksi

自己紹介をお願いします。

アムステルダム在住のフィンランド人イラストレーター兼デザイナーです。去年、4年過ごしたパリから引越してきました。2000年にフィンランドにあるラハティ・インスティテュート・デザインを卒業し、2003年よりイラストレーターとして活動してます。

クスタ・サキシ
Today’s Art – Precision beamed installation in Hague (The Netherland)

まずは、マクサロットギャラリーでの展覧会おめでとうございます!今回の展覧会を開催するまでの経緯を教えていただけますか?

マクサロットギャラリーのスタッフとは「Today’s Art Festival」の時に一緒にコラボレートしたことで知り合いました。ここ数年、他のプロジェクトでも関わりがあったのですが、アムステルダムという同じ都市に腰を落ち着けたこともあり、遂に一緒に展覧会をやろうと決めました。マクサロットの展覧会はいつも素敵なので、今回はとても楽しみにしています。

クスタ・サキシ
The Later Days of Vice Admiral A. B. Aslanbegov

展覧会のテーマ、作品についていくつか紹介していただけますか?

展覧会名は、『クスタ・サキシの「ザ・ヒーロー」』といいます。様々な作品を展示する予定で、他にバッシャーとゲシュタルテン社から出版される作品集「Offpiste – In the Land of Kustaa Saksi」のリリースも兼ねています。
ロシアのサンクトペテロブルクへの旅以降、ヒーロー像にインスパイアされてます。ロシアの海軍司令官長が天使として古い教会に描かれていて、そこからこの小さくてヘンテコな宗教的象徴を思いつきました。なぜかその教会の絵にとても興味が湧き、その頃からヒーロー画を沢山描き始めました。それら全てには、沢山のメダルや紋章など力を象徴するものでヒーロー的風貌が引き立てられた権力が表現されています。でも、同時にその様子はとてもユーモアに溢れていて、大抵何気ない様子です。そのコントラストが、自分にとっては作品をとても興味深いものにしている。過去や現在の要素を取り入れながら、自身のヒーロー肖像画シリーズを確立したかったのです。

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