バターシー・パワーステーション

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クラッパムジャンクションへ向かう電車に乗ると、嫌が応にも目に飛び込んでくるのが巨大なバターシー発電所の姿、そしてそこにそびえる4本の白い煙突。ピンクフロイド、1977年のアルバム「アニマルズ」のジャケットでも知られるこの発電所は、フットボールスタジオ3個分というそのあまりの雄大さと、アールデコの優雅なデザインに、しばし人々の目を引きつけ、息をのませる。

バターシー・パワーステーションバターシー・パワーステーション


夏のひととき一般に公開されるこの発電所。そこではレンガ建築でヨーロッパ随一の大きさを誇るこの場所の歴史と今後のリノベーションプラン、そして1983年以来閉鎖されているその発電所跡を実際に見て回ることができる。

バターシー・パワーステーション

1939年に操業を開始、電気の需要の深まる中、初の大型石炭発電所となったのがこのバターシー・パワーステーション。設計はロンドン赤電話ボックスや、現在のテートモダンである旧バンクサイド発電所を手がけたギルズ ギルバートスコット卿。その姿は東のセントポール大聖堂と並ぶロンドンのランドマークとされている。

バターシー・パワーステーション

操業時はロンドンの五分の一もの電力を供給したこの発電所は1983年に幕を閉じた。その後幾度か、その建物を再利用したテーマパークや複合施設の建設が試みられるが、残念ながら巨額のコストを前に断念することとなった。

バターシー・パワーステーション

エキシビジョンスペースには、現在のオーナーであるアイルランド企業「リアルエステート・オポテュニティ」の提案する、バターシー、ボクソール地区の再開発マスタープランが展示されている。それによると、発電所の保存、その有効利用としての複合施設の建設、テムズ川沿いに7000件のレジデントと、2万件の雇用機会、チューブの延長と最寄り駅の設置、ソーラーパワーによる電力の供給とサイクリングロードの完備による排気ガスの減少などが歌われており、この地区に全く新しいエコフレンドリーなコミュニティが生まれることを予告している。

現在の跡地といえば、壁面に機械が搬出された際に開けられた大きな穴もそのままに、空洞の建物とどこまでも続く砂利道が荒涼とした風景である。それでもその場所に立つと、何か大きなパワーを感じずにはいられない。30年代に電力供給のありかたを革新したこの発電所が、今度は21世紀の新しいパワーの発信地となるのだ。今はまだ充電中であるこのパワーステーション地区の完成が、今から待ちきれない。

一般公開は8月中で終了。
今後の予定はウェブサイトを参照。

Battersea Power Station
住所:188 Kirtling Street, SW8 5BP, United Kingdom
TEL:20 7501 0688
info@battersea-powerstation.com
http://www.battersea-powerstation.com

Text and photos: Sayaka Hirakawa

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