SIMPLY PATTERN

THINGS

香港を拠点とする、デザイン・アート系出版社「ヴィクショナリー」から、新書「Simply Pattern」が出版された。本作はSimplyシリーズの第2弾となる。

Simply PatternSimply Pattern


70近くのアーティストの作品が、パターン(模範、手本、模様、体系など)という道具を使い、ファッション、プロダクト、環境という分野から日々の生活に密着させた枠で登場する。

各分野ごとに注目作品を通して紹介する。

Simply Pattern

本作、最初のページを飾るマーカス・ジェームスの作品が目に飛び込んでくる。草花や鳥といった、自然をモチーフにした作品が本編で数多く見られる中、彼の作品にはそれらの「動」を感じさせられる、繊細さが際立っている。

Simply Pattern

何種類かの素材を微妙に配置を変える事で、ストーリーが生まれるのであろう。そしてそのストーリーは繊細が故に、どこかその動植物の放つ生命の儚さも感じさせられる。ファッション分野の特質の一つとして、衣服として身にまとったときの魅力というものが、彼の作品ではそのパターンの持つ「動」というものが、人による「動」と連鎖することにより、魅力を放っているのではないかと思われる。

Simply Pattern

次に、プロダクト分野のエッグ・デザインズによるLockerシリーズ。平面×平面=立体といった単純なアプローチは、視覚効果として様々な面白味を見せてくれる。普段私たちが駅などで目にするロッカーのように組み立てられている本作品。一つの花のモチーフを四方送りに配置した鋼鉄が、レーザーカットによって、そこに光が差し込むと影が出来、その光の角度や量によって、様々な表情が楽しめる。活動拠点としている南アフリカの太陽熱の強さと比例するかの如く、それらが組み合わされる事で鮮やかな色味と共に作品としてより印象の強いものとなり、一点に作品全体が集中してくる。

Simply Pattern

最後に環境分野の5.5デザイナーズの作品。この分野では「住」に密接した作品、主に壁紙があげられ、デザインが日々の生活にもたらすプラス効果の模索が繰り広げられている。そんな中でも5.5デザイナーズの作品は、壁そのものが遊び場となっている。○×ゲームをする9マスある縦横3センチ程の正方形、ランダムに配置された巾1センチに満たないくらいのアルファベット(間隔は一定)で単語を見つけ線で囲むものや、ゴールには気が遠くなるような細かい迷路。その瞬間に体感した行為が、それらを終えたあとに壁を見た時、線によって全くの新しい柄が書き加えられ、そしてそれらが、パターンとなって見えて来るのかもしれない、未知の面白さ。

もし、このようなもの達がより多くの日常にありふれていたらと仮定すると、それがもたらす効果は計り知れないと共に、それはデザインの可能性というものを証明してくれる、一つのアプローチとも言えよう。

平面に広がる計り知れない創造力の無数の柄が放つ、魅力がつまった一冊である。

Simply Pattern
著者:Neubau
出版:viction:ary
仕様:240 pages、25.4 x 21.2 x 2.8 cm、
言語:英語
発売:2008年6月30日
ISBN:9889822989

Text: Satomi Gentsu

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