ヴィクター&ロルフ回顧展「ザ・ハウス・オブ・ヴィクター&ロルフ」

HAPPENINGText: Sayaka Hirakawa

ドールハウスを囲むように配置される広々とした展示スペースでは、ミニチュアハウスと全く同じ内容のコレクションを、今度はオリジナルサイズで見ることができる仕組みである。コレクションごとに区切られた部屋に入るたび、観客は自分がヴィクター&ロルフのドールハウスの中にいるような錯覚にとらわれるかもしれない。

ヴィクター&ロルフ展

「Russian Doll 99/00」は、この展覧会のハイライトのひとつである。キャットウォークを見せる代わりに、ナチュラルジュートのドレスをまとって登場した一人のモデルに、デザイナー自身が8枚のレイヤーを着せてゆくこのショウは、画期的でユーモアにあふれる。現在ほどの人気を博す以前の96年当時、彼らの夢と野望であったキャットウォーク、フォトシュート、フラッグショップ、パフュームラウンチという4場面のミニチュアアートを発表した、「Launch」は今回のドールハウスの原型となった。

ヴィクター&ロルフ展

その他、モデルたちが背中に大きなライトとサウンドシステムを背負ってランウェイを歩いた「The fashion show 07/08」。ベッドリネン、キルトのブランケットと赤いバラをモチーフにしたロマンチックな「Bed time story 05/06」。25のテーマを異にするコレクションと、その顕著な作品、そしてバックグラウンドにはキャットウォークのインスタレーションという全てが、ファッションとしてだけでなく、アート、独創性、アイディアの点でも見応えのある展覧会となっている。 

ヴィクター&ロルフ展

『デザイナーは、そのシーズンのコレクションに集中するものだけれど、ぼくたちはファッションをコンティニュアスなものだと思っている。そして過去のものも含めて、ヴィクター&ロルフの作品をセレブレイトするのが今回の趣旨だ。』と彼らは語る。常に新しい服を、ファッションを、わたしたちは追いかけてしまいがちであるが、ふと振り返ってみると、そこには未だ斬新で、信じられないほど魅力的な何かが忘れ去られていたりはしないだろうか。この二人の類い稀なる才能にたっぷりと触れたなら、今度はあなたのクローゼットを開けて、その歩みを振り返ってみるのはどうだろう?

The House of Viktor & Rolf
会期:2008年6月18日〜9月21日
会場:Barbican Art Gallery
住所:Barbican Centre, Silk Street, London EC2Y 8DS
http://www.barbican.org.uk

Text: Sayaka Hirakawa
Photos: Sayaka Hirakawa

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