ヴィクター&ロルフ展

HAPPENING

この夏バービカンで開催中の「ザ・ハウス・オブ・ヴィクター&ロルフ」は、 オランダが誇るデザイナー・デュオ、ヴィクター&ロルフの、過去15年の作品を振り返るエキシビジョン。まさにレトロスペクティブである。

ヴィクター&ロルフ展ヴィクター&ロルフ展


「おしゃれなオタク」とでも表現したくなるスクエア眼鏡に、時にお揃いの洋服、片方が始めた言葉をもう片方が次いで締めるほど息のぴったりなヴィクター・ホスティンとロルフ・スノランの二人。

ヴィクター&ロルフ展

1992年から活動をともにする彼らは、その奇抜なアイディア、そして皮肉を交えながらもこの上なくエレガントなスタイルで注目を集める。2004年にはロレアルより「Flowerbomb」と呼ばれる香水をラウンチ、2006年にはハイストリートブランドH&Mとのコラボレートと、革新的な活動を続けている。 「ザ・ハウス・オブ・ヴィクター&ロルフ」展では、92年より現在に至る作品群から、25のキーコレクションが登場する。

ヴィクター&ロルフ展

バービカンアートギャラリーの大展示室2フロアを使ってのエキシビジョン。その目玉はなんといっても「ザ・ハウス・オブ・ヴィクター&ロルフ」という名前の通りのドールハウス。といっても、高さ6メートル、3階建ての巨大なドールハウスである。そしてコレクションごとに仕切られたハウスの中には、ベルギー伝統人形作家による54体の人形たちが林立する。 身長70cm程度のそれぞれの人形が着るミニチュアサイズのコレクションピースは、もちろんヴィクター&ロルフ本人によるハンドメイド。それどころか、人形たちは実際にキャットウォークで、オリジナルアイテムを身につけたモデルに各々似せて作られており、その小さな頭でさえ、ヘアドレッサーによる完璧なセットである。デザイナーのこだわりが、あちこちに感じられる。

ヴィクター&ロルフ展

ドールハウスを囲むように配置される広々とした展示スペースでは、ミニチュアハウスと全く同じ内容のコレクションを、今度はオリジナルサイズで見ることができる仕組みである。コレクションごとに区切られた部屋に入るたび、観客は自分がヴィクター&ロルフのドールハウスの中にいるような錯覚にとらわれるかもしれない。

ヴィクター&ロルフ展

「Russian Doll 99/00」は、このエキシビジョンのハイライトのひとつである。キャットウォークを見せる代わりに、ナチュラルジュートのドレスをまとって登場したひとりのモデルに、デザイナー自身が8枚のレイヤーを着せてゆくこのショウは、画期的でユーモアにあふれる。現在ほどの人気を博す以前の96年当時、彼らの夢と野望であったキャットウォーク、フォトシュート、フラッグショップ、パフュームラウンチという4場面のミニチュアアートを発表した、「Launch」は今回のドールハウスの原型となった。

ヴィクター&ロルフ展

その他、モデルたちが背中に大きなライトとサウンドシステムを背負ってランウェイを歩いた「The fashion show 07/08」。ベッドリネン、キルトのブランケットと赤いバラをモチーフにしたロマンチックな「Bed time story 05/06」。25のテーマを異にするコレクションと、その顕著な作品、そしてバックグラウンドにはキャットウォークのインスタレーションという全てが、ファッションとしてだけでなく、アート、独創性、アイディアの点でも見応えのあるエキシビジョンとなっている。 

『デザイナーは、そのシーズンのコレクションに集中するものだけれど、ぼくたちはファッションをコンティニュアスなものだと思っている。そして過去のものも含めて、ヴィクター&ロルフの作品をセレブレイトするのが今回の趣旨だ。』と彼らは語る。常に新しい服を、ファッションを、わたしたちは追いかけてしまいがちであるが、ふと振り返ってみると、そこには未だ斬新で、信じられないほど魅力的な何かが忘れ去られていたりはしないだろうか。この二人の類い稀なる才能にたっぷりと触れたなら、今度はあなたのクローゼットを開けて、その歩みを振り返ってみるのはどうだろう?

The House of Viktor & Rolf
会期:2008年6月18日〜9月21日
会場:Barbican Art Gallery
住所:Barbican Centre, Silk Street London, EC2Y 8DS
http://www.barbican.org.uk

Viktor & Rolf Boutique
住所:14 via Sant Andrea, 20121, Milan, Italy
TEL:0039-02-796091
http://www.viktor-rolf.com

Text and Photos: Sayaka Hirakawa

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