コージーダン

PEOPLEText: Lotje Sodderland

彼らは若く、そして熱い。愛に忠実であり、羨ましいほど才能に溢れている。時には我々に吐き気を催させることもある。90年代後半に彼らのクリエイティブでロマンティックな結びつきがスタートしてから、商業的でビッグなクライアントや膨大な量の展覧会を経て、何とも言えない魅力を放つコージーダンのシュールレアリズムの世界は、ファインアートとコマーシャルな分野に橋を架けてくれた。

Kozyndan
© Sean Marc Lee

広く評価されているコージーダンの超リアルなパノラマを描く特殊なデジタルペインティングは、現代の日常生活を特徴づける人々とテクノロジカルな過負荷を表現している。彼ら独特のおかしな宇宙は、ゾッとするようなシュールなキャラクター群を迎え、見る人を二次元へ惹き付ける。そこでは、日本人のビジネスマンが灰色のクマとバーを共にし、かわいらしいバニーフィッシュは空を飛び、そして巨大なピンクのウサギたちはタイン川で戦う巨大ロボットたちを眺めている。

アムステルダムにオープンしたマクサロット・ギャラリーの門出を祝うべく、展覧会「Beneath the Surface」を開催するために彼らは初めてオランダに足を踏み入れる。

Kozyndan
Little Crunches of Tiny Feet

まずはじめに自己紹介をお願いします。

ダン:僕はカリフォルニアのオレンジカウンティーで育ちました。カリフォルニア州立大学のフラートン校で、あまりいい成績とは言えませんでしたがイラストレーションを勉強しました。そこのペインティングのクラスでコージーと出会ったんです。

コージー:私は18歳まで日本の山梨県、富士山のすぐ近くで暮らしていました。その後渡米し、カリフォルニア州立大学フラートン校でアートを勉強しました。

Kozyndan
Pacific Drift, for the “Beneath the Surface” exhibition

最近面白かったプロジェクトについて教えて頂けますか?

コージー:昨年は様々な展覧会の為のペインティングに費やした時間が多かったので、今年はコンピューターに戻り、フォトショップを使って絵を制作したいですね。特に、現在進めている途中のパノラミックシリーズにまた取りかかりたいです。私達のリビングルームのパノラマのイラストが、初めて一緒に制作した作品だったんです。それからこのシリーズを展開するようになりました。いつかこのシリーズを大きな本にできればと思っています。5月29日にアムステルダムのマクサロット・ギャラリーで私達の展覧会が始まるのですが、2006年に始めてから初のフルサイズのパノラミックイメージ(これが今回シフトのカバーで使われているもの)を展示することになるんです。恐らく今まで展示したパノラミックの中で一番大きなサイズになると思います。2ヶ月以上も完成にかかりましたが、非常に満足のいく仕上がりとなりました。珊瑚礁を仕上げるのに5週間程かかりましたが、そういったうんざりするような細かな作業を大きなサイズで見てもらえることが嬉しいですね。

ダン:バルセロナのヴァレリーというギャラリーショップで6月19日から始まる展覧会で展示される、同じ珊瑚礁を使った全く違う作品を完成させたところです。この展覧会の他にも、ヨーロッパのシューズショップ、フットロッカーズでこの春注目されているプーマのクロージングラインに関するプロダクト等を手がけています。僕たちの手がけたおもちゃもこの秋、もしくはもう少し早めに発売される予定です。バニーフィッシュという僕たちがここ数年使っているキャラクターをベースに2種類のおもちゃを作りました。この名前で何となく予想がつくでしょうが、その名の通り半分がウサギで半分が魚のキャラクターです。手編みバージョンも作っているのですが、トラディショナルなプラスティックのミニフィギュアも「Get Small」というアーティスト・トイシリーズが、アッパープレイグラウンドからリリースされています。いつ完成するかはわかりませんが、バニーフィッシュに関する本も制作途中です。

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