ロボットミュージアム

PLACEText: Naoko Wowsugi

日本初となるロボットをテーマにした複合商業施設、ロボットミュージアム in 名古屋。2006年10月にオープンしたロボットカルチャーミュージアムは主に4つの施設からできている。ロボットに関して知識を深める展示が行われているミュージアム部分の「ロボシンク」。 約2,000種類のロボットアイテムを扱うミュージアムショップ「ロボット未来デパートメント」、インテリアショップ「ハットリルッソ」、カフェレストラン「ファミレス」がある。名古屋の繁華街・栄の真ん中に現れたこのミュージアムはその名前からユニークで近未来を存分に予感させ世界中から多くの人々が訪れている。

ロボットミュージアム

このロボットミュージアムの核となる施設「ロボシンク」では年に3から4回の企画展が行われる。 入場料は一般1,300円、シルバー(65歳以上)・大高中学生1,000円、小学生700円。私が訪れた時は 「ロボット宝島」 という企画展が行われていた。「子供とロボットは未来の宝である!」という明るいテーマを掲げ、中部圏の5大学、愛知工業大学、名古屋工業大学、大同工業大学、名古屋造形大学そして中部大学と連携してできた体験型の展示コンテンツがちりばめられていた。ゲームや実際にロボットを組み立ててみるといった体験を通しわかりやすく最新のロボットテクノロジーを紹介している。

ロボットミュージアム

例えば、 鬼ごっこロボット「ASKA」とのお散歩体験では、ASKAの臨機応変さや視覚認識の正確性をお散歩体験を通して体感できるようになっている。ちなみにこのASKAは将来的に空港などでの重たい荷物を運びながらのポーターロボットとしての開発が期待されている。またこの「ロボット宝島」はロボット研究開発を一般の人に身近に感じてもらいながら発表するという場所が少なかった工業系の企業や大学の絶好の発表の場所にもなった。

ロボットミュージアム

「ロボシンク」2階部分にはロボットの歴史を紹介する「ロボットクロニクル」 が常設され、「想像と創造の歴史」であるロボットの起源をたどり現在に至るまでを紹介している。この展示を見ていけば、日本ではロボットというと鉄腕アトムや鉄人28号など、ヒーローで正義の味方というイメージが強いのだが、海外などでは征服されるかもしれないものであり敵としてのイメージが強いことが分かってくる。ロボットの進化の過程を通して 世代や国によるロボットの存在や認識の違いが分かるようになっている。

ロボットミュージアム

その他には「ロボットアカデミー」と呼ばれるワークショップを通して実際に考えながらロボットを作り、ロボットを理解していく場所なども併設されている。

ロボットとは何か?ということについて、まだ誰も明確な答えが出せていない。今後、私たちが日常生活の中でどのようにロボットと触れ合ってゆけばいいのか想像するのは難しかったが、このロボットミュージアムで実際にロボットと遊ぶことで現実からは遠い存在だった彼らへの愛着が沸き、これからの将来、彼らとの距離が少しずつ近づいていくように思えた。ロボットを夢と希望と未来の象徴として捉えたこのミュージアムでロボットの未来の進化を想像してみれば、環境問題や少子化問題などでどことなく不安な未来もとても明るく積極的に見えてくるのではないだろうか。

ロボットミュージアム in 名古屋
開館時間:11:00〜19:00(土・日・祝日 10:00〜20:00)
住所:愛知県名古屋市中区錦3-25-20
TEL:0120-156-610(運営事務局)
https://www.robot-museum.net

Text: Naoko Wowsugi
Photos: Naoko Wowsugi

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鈴木将弘
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