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国際ドキュメンタリー映画祭 ドックビル 2007

HAPPENINGText: Filip De Haes

テレビやラジオでドックビル映画祭が宣伝され、多くの人が関心を寄せた。5月30日から6月5日まで、3回目となるドックビル映画祭が学園都市ルーベンで開催され、近年制作された素晴らしいドキュメンタリー作品の数々が披露された。

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開催地に設置された4ヶ所の会場で上映された29本の作品のうち、面白そうなものを6本、プライベートの時間をあてて見ることにした。1作品につき、チケットの定価は5,5ユーロ。(訳注:6月初めころは1ユーロ約160円)6作品を見ることが分かっていたので、24ユーロで割引チケットを購入した。つまり1作品あたりの料金は4ユーロということになる。6作品とも、STUKで上映されていた。

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「グレート・ハピネス・スペース」(ジェイク・クレネル/2006年/英)
これは日本のホストクラブに関することを洗いざらい教えてくれる作品である。舞台は超高級店であるカフェラッキョ。店長であるイッセイが、若々しい男(外見は女性的だが)の世界を案内してくれる。カフェの男たちは女性に大金を使わせようとする。彼女たちは男たちと楽しみ、高級なシャンパンを注文し、そしてその結果、一夜にして60万円ほどのお金を気軽に使うこともあるのである。

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「クロッシング・ザ・ライン」(ダニエル・ゴードン/2006年/英)
ジェイムズ・ドレスノクにまつわる話を取り扱った作品。ドレスノクはかつて朝鮮戦争の際に米陸軍に所属していたが、1962年になって、北朝鮮に亡命することを決意する。彼へのインタビューにより、北朝鮮人の中で生きた、偉大なるアメリカ人の50年にわたる物語が明らかになる。

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「クルード・アウェイクニング オイルクラッシュ」(バジル・ゲルプケ&レイ・マコーマック/2006年/スイス)
作中では世界中の専門家が、「多くの国が一日あたりに生産する石油の量は減少してきている」とピーク・オイルについて語っている。撮影スタッフは、以前は世界中の石油生産で中心的だった場所を捉えている。現在、それらの場所の埋蔵量はゼロであり、そのままにされている。石油がなくなれば日常生活はどうなるのだろうか?それに替わるものはあるのだろうか?

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「ヴェルダージ・ドゥ・ガトー」(ジェレミー・ハマーズ/2006年/ベルギー)
この作品では燃えるサトウキビ畑の光景を見ることができる。そしてそれに関するものである。南アメリカのバイオディーゼル燃料に関する情報が欠落していた。このドキュメンタリーは15分かけて、多かれ少なかれ4回ほどの収録で撮影されたものだろう。セリフはなく退屈な作品だった。

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「ガバメンタル・アドミニストレイティブ・センター」(イブ・カントレーン/2006年/ベルギー)
以前は中央集権主義者による官僚制度にとっての理想郷だった、ブリュッセルの中心にある大オフィス街に関するストーリーである。従業員がインタビューされ、撮影は20年前ということで暗く、長い廊下で行われている。この素晴らしいドキュメンタリーはドックビル映画祭で国内賞を受賞した。

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「トゥ・ウォーク・アゲイン」(ステイン・コーニンクス/2007年/ベルギー)
いくぶんメロドラマ的なドキュメンタリーだが、これは2002年、競技の練習中に脊髄に損傷を負ったマーク・ヘルマンスを追いかけたものである。彼はその時、アイアンマン・トライアスロンのための練習中だった。そして胸から下が麻痺していると分かった後も、練習を続けることを決心した。昨年にはアイアンマン障害者トライアスロンで優勝している。彼はスポーツをすることをとにかく止められず、そしていつの日かまた歩けるようになることを願っている。

ドックビル映画祭はよく整備されていて、行きやすい映画祭である。ところが観客はシビアである。会場は少なくとも200人は収容できるが、私が見た映画のうちのほとんどは30人くらいしかいなかった。

DOCVILLE 2007
会期:2007年5月30日〜6月5日
会場:STUK
住所:Naamsestraat 96, 3000 Leuven, Belgium
http://www.docville.be

Text: Filip De Haes
Translation: Yuhei Kikuchi

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