マーク・ブレイク&コオ・マスダ展

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

マーク・ブレイクとコオ・マスダの二人による制作期間約2ヶ月分の作品を発表するインンスタレーション「五(ファイブ)」が、今年新しくオープンしたアーティストと市民の為のスペース、バンカート・スタジオNYKで行われた。

会場となったバンカート・スタジオNYKは、横浜市による文化芸術事業の一環の中で生まれ、 元々、1920年代に建てられたという銀行の建物 を再利用した様々な芸術表現を行うスペース、バンカート1929の関連施設だ。この施設は、旧日本郵船倉庫を再利用し、展示スペースと、様々な用途に使用できるスタジオを持つ施設。このスタジオは規定の手続きを行い申し込めば誰でも借りることができる開かれたスペースとなっている。

その開かれたスタジオを使用して制作されたのが今回、展覧会で発表されたコオ・マスダとマーク・ブレイクの作品。同じスタジオを使用し、一方は彫刻刀で、もう一方は鉛筆を持ち作品を作り上げた。ギャラリースペースとなっている展示ホールの入り口には、その約2ヶ月という一連の作業の中から生まれた、彫刻刀で削り取られた木くずと鉛筆の削りくずがクリアボックスの中に納められ、作品ができ上がるまで記憶が視覚化されているようだった。

コオ・マスダはニュージーランドでファインアートを学び、真言宗の僧としの修行も積んだ人物。作品自体も彼が持つ世界観が色濃く現れていて、ある意味全く別世界であろう、ニュージーランドと真言宗での経験が合わせっている。

2次元の木のカンバスの上に鮮やかな色彩と彫刻刀で削られたラインが広がり、どこか版画を思わせる。 一見混沌とした世界が広がる絵には上も下も無く、4方向から見ることができ、良く目をこらすとその絵の中に人の顔があったり、動物や想像上の獣が描かれていて、四方向それぞれ違う見方ができる作品となっていた。一人で制作した作品が主で、幾つかマーク・ブレイクとの共作もあった。

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