サマーケース 2006
二日目土曜日の午後9時、ターミナルEステージでは、このフェスティバル全体で最も素晴らしいステージが繰り広げられた。ディバイン・コメディが登場し、最新アルバム「ヴィクトリー・フォー・ザ・コミック・ミューズ」を披露した。
The Divine Comedie
バンドを率いるニール・ハノンは彼の魅力が余すところなくステージいっぱいに広がった。「アブセント・フレンズ」や「カサノヴァ」に収録されている新曲から名曲までが演奏された。会場は完全に一つになった。そして彼は演劇的なサウンドとダンディな雰囲気で観客を魅了した。本当に素晴らしいショーだった。
New Order
ハッピー・マンデーズが60年代のサイケデリックと70年代のファンクに少しのダンス要素を加えたステージを披露した。ところがそれは期待を反するものに終わり、ニュー・オーダーが登場した。しかし彼らの伝説をも壊してしまうようなつまらないショーにがっかりした。「ブルー・マンデー」や「ビザー・ラブ・トライアングル」などの名曲を披露し、素晴らしいステージを用意しようとしていたが、それらはうぬぼれにしかみえなかった。
Rufus Wainwright
そのとき別のステージでは、表現豊かなソングライター、ルーファス・ウェインライトがピアノに座って演奏していた。ときどき彼の姉妹がコーラスに参加していた。アーティストがバンドなしのソロで演奏し、声と楽器のみでうめつくされたステージは最高だ。
キーン、プライマル・スクリーム、ロング・ブロンズ、ケミカル・ブラザーズのDJプレイは午前6時まで続いた。
この新たに誕生したフェスティバルをなんて表現したらよいだろう。ただ、第1回サマーケースはすでに一流であることは確かだ。もう来年が待ち遠しくて仕方ない。
Summercase 2006
会期:2006年7月14日・15日
会場:Parc Forum (Barcelona) / Boadilla del Norte (Madrid)
https://www.summercase.com
Text: Julio Cesar Palacio
Translation: Miwako Nakazawa
Photos: Julio Cesar Palacio