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飯田竜太展

HAPPENINGText: Yoshihiro Kanematsu

梅雨真っ只なかの6月13日から7月2日にかけて、ギャラリー(g)で、飯田竜太展が開催された。ただひたすらに、カッターで本を刻み続ける飯田くんの作品は、第22回一坪展でもグランプリを受賞するなど、今や各方面で『なんかスゴい奴がいる』と話題もちきりになっている。今回は、大阪grafでの「tenants」展で創作された本の彫刻のほか、文字が刳り貫かれた1ページのアートワークなどが展示され、光を絞った整然たる空間に、奔放に独自の世界観を放っていた。

(g) は、デザイン会社gooddesigncompanyが運営する、事務所に併設されたギャラリー(のようなもの、と彼らは呼ぶ)だ。古賀充さんや本城直季さんなど、毎回独特な視点と質の高さでうならせる若手作家を中心にキュレーションしていて、ちょっと頑張れば手が届きそうな値段の作品を販売したり、若い人でもアートをもっと身近に感じられるスペースといえるだろう。

そして代表の水野学さんをして、『希有な人材』と言わしめる飯田くんもまだ24歳。大学では彫刻を専攻し、ガーディアンガーデンでの個展や、青山WALLでのグループ展などで作品を発表してきた。実家が鉄工所ということもあって、展示に使用された什器も全て制作したという。中央に置かれたガラス製の棚は、少しかがむと表紙が見える絶妙な高さで、ミニマムな空間にあってちょっとした動きをつくり出していた。

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