ホテル・ワンダー

HAPPENINGText: Francesco Tenaglia

ラ・ペルラの大量にある付随的ショーや式典の中でも突出したホテル・ワンダーが、ファッションやデザイン界において、ますますトレンディーになってきている町の南東部のトルトナ通りで、ミラノ・ファニチャー・フェア2006と同時に行われた。

ショー広報の言葉を借りると「夢と現実の間に宙ぶらりになっている物」という架空のホテルのスペースと機能的エリアについて、40を越える国際的なイラストレーター達が想像すると言う展覧会を有名なイタリアのランジェリー会社が開催した。

90年代のラウンジ現象で実証されたように、豪華ホテルのコンセプトは今だ象徴的な価値を保持しており、それは伝統的な学校の洗練された上品さによってポップカルチャーを刺激し続けている。それゆえに、イラストレーターの中にこの架空のホテルの部屋や常連客、スタッフを60〜70年代のグラフィックやインテリアをしばしば思い起こさせるような華々しさで描いたのも想定内の事だ。しかし、全体のムードは単純に歴史的再演をした物ではない。結果、最高のイラストレーター達が満たした非現実的な雰囲気、微妙に不気味な住人達、そして官能は、実在するミラノ会場かのようにホテル・ワンダーを必見の物にした。

例えば、デビッド・ブレイの「キッチン・ポーター」では、頭が2つある鹿に乗り、様々な動物と共に食器を操るマスクをした若い女性をイメージ。マルグリット・ソヴァージュのキッチンは、裸のコック達が桃色の食事の準備に熱中している姿でいっぱいだ。天野未来の書斎の絵は2人のゴシック姿の若い女の子が禁欲的な環境で本を調べている様子。ちょっとした休息が必要な方はリン・オロフドットのトイレを。猫達がシュールレアリズムに影響を受けた、人型の家具のある部屋に招きいれてくれる。

HOTEL WONDER
会期:2006年4月4日〜11日
会場:Showroom La Perla
住所:27 Via Tortona, 20144 Milano
https://www.hotelwonder.net

Text: Francesco Tenaglia
Translation: Yuki Furusho
Photos: Stefano Delle Monache

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE