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オルビー

THINGSText: Victor Moreno

シャスティン・オルビーは1980年に家具デザインのキャリアをスタートさせた。彼女は自身をデザイナーよりも、家具の建築家と名乗ることを好む。伝統的な家具づくりを熟知した上で、モダンかつ時代に左右されない家具をつくり続けており、「家具は手と目の使いすぎを防ぐべきもの」と本人は語っている。

スウェーデン人はある種の木材使いの達人。スウェーデン製の家具は、そのシンプルさ、機能性、耐久性から何百年も注目を浴び続けている。もちろんオルビーも木材のスペシャリストだ。コレクションの各作品のタイトルをみれば一目瞭然だが、オルビーは自身の家具づくりのコンセプトに、アジアや大英帝国、アメリカなど、他の文化圏からの要素をミックスさせている。彼女は古いモデルに少し手を加え、モダンな作品へと変身させるのが得意だ。

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1993年から1998年の間、オルビーはスカンジナビアのデザイナーの誰もがほしがる「エクセレント・スウェーデン・デザイン賞」を毎年受賞している。また、オルビーは自身の邸宅である「ヴィラ・オルビー」でスウェーデンの優秀な木材建築に贈られる「トラプリセット」という賞も受賞している。オルビー社は、製造過程の全てをスウェーデン南西部にある自社工場で行っている。特に、オルビーはスウェーデンのシンネクーレ山から発掘されるライムストーンを使用している唯一のブランド。このライムストーンは、5億年以上も前に化石や砂岩からつくられた堆積岩、白雲岩だ。オルビーの家具には、他にもガラスや鉄、ウールやリネンなど、自然素材がよく用いられている。

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コレクションは、収納からテーブル、タンス、椅子、ベッド、ソファーなど、幅広いラインナップとなっている。これらの家具はどれも多目的で使え、プライベートな空間はもちろん、パブリックな場所にもよくフィットする。スウェーデンの首相官邸や世界中のスウェーデン大使館にも置かれることで、スウェーデンの家具デザインを世界に向けて発信している。オルビーコレクションの代表作は、おそらくサイドボードだろう。最近のオルビーの家具は、素朴な自然らしさに、ポップアートのようなカラーがミックスされているのが特徴だ。

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