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第11回 ソニック・アクツ

HAPPENINGText: Ania Markham

年に一度アムステルダムにて開かれるソニック・アクツ。いつも予想通りに迎えられるが、今年も例外ではなかった。2月23日から26日の間、デ・バリで開かれたこの国際コンピューター・アートの祭典は今年11年目を迎え、強烈な三日間のカンファレンスは三晩三夜のライブパフォーマンスに匹敵し、広範囲に渡るフィルムプログラムと展覧会で構成された。フェスティバルテーマのDVDと本が来月あたりに出版される予定だ。

自主的なコンピューター・アートはますます多くのアーティスト、彼らのハードウェアの発展によって最近リバイバルされ、彼ら自身のソフトウェアを書いている。ソニック・アクツにとってこれは現代のコンピューター・アートにおいて欠くことのできない要素である。今年のフェスティバルの狙いは、様々な面を持ち、色々な形に浸透するコンピューター・アートの概要の提供だった。国際的な参加者はコンピューター・アート、映像、ファインアート、音楽、学問の世界から引き付けられ、文学とアートの歴史は、歴史的発展によるものではなく、現代、未来におけるコンピューター・アートの位置から、話し合うため集まった。

スピーカーには、1968年に展示「サイバネティック・セレンディピティ(人工頭脳)」で歴史を作り上げたヤシャ・ライハート(GB)、コンピューター・アートやフィルムの先駆けであるリリアン・シュワルツ(USA)、作曲家であり「コンピューター・ミュージック・チュートリアル」の筆者であるカーティス・ローズ(USA)、そしてサンフランシスコ州立大学のコンセプチュアルデザインアートの教授であり「インフォメーション・アート:アート、サイエンス、テクノロジーの交点」の筆者であるステファン・ウィルソン (USA)がいた。カンファレンスはフェスティバルが始まる前にすでに定員となり、これら勢力のあるスピーカーたちのスピーチを聞くための要求だった。

デジタルフィルム・アートでのプログラムは純粋にドキュメンタリーとコンピューターフィルムが一緒になって見え、また貴重なものを含んでいた。ほとんどがこれまでオランダで未公開のものだった。私のお気に入りはシーグラフのアーカイブをもとにしたショートフィルムのコレクション、「ザ・シーグラフ・コレクション」だった。(シーグラフはテクノロジーとアートが関係したコンピューターフェスティバルで、年に一度アメリカで開かれる。)上映されたコレクションはサイエンスやアート、エンターテイメントの分野からピックアップした作品の概要だった。それぞれの映像はコンピューター・アートの発展に先駆者の役目として上映された。

そのうち際立った2人は、エドウィン・キャットマルアルヴィ・レイ・スミスである。エドウィンは、「ハンドフェイス」を1972年に発表。また、コンピュータ科学者として、テクスチャー・マッピングや、アニメーションのためのプログラム「トゥイーン」を開発し、後にピクサーの初代の社長になった人物だ。

彼の作品に並ぶのは、長年の友人でありコラボレーターであるアルヴィ・レイ・スミスのフィルム作品「ビッド・ビッツ」(1974)だ。アルヴィもまたピクサーの共同設立者であり、彼の長い経歴にはデジタル・ペイント・システムやデジタルイメージ合成の発展が含まれる。また、彼のフィルムにおけるデジタルアートとアニメーションへの貢献にはオスカーが2度送られた。これらの初期のフィルムが、デジタルグラフィックツールの発展にどれほど重要かを知るのはおもしろい。

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