NIKE 公式オンラインストア

BEYES(バイズ)インタラクティブインテリア

PLACEText: Yoshihiro Kanematsu

2月11日から28日まで、ごった返す表参道ヒルズにオープンしたセレクトショップ、BEYES(バイズ)表参道店で「インタラクティブインテリア」が開催された。「インタラクティブデザインとインテリアデザインを結ぶ新しいフィールド」というかつてないフロンティアを描いて、wowlab+ワイルドカードセミトランスペアレント・デザイン、鎌田貴史(.spfdesign)、マルコス・ウェズカンプNANIKAと、熱狂的ウェブデザインギークスには失神ものの3カ国5組のメンバーが参加。

「大人の男のルームシェア」という斬新なコンセプトを掲げた野心的なセレクトショップにあって、新たな環境装置「エディット・ウォール」がどのようにお客様のココロを/カラダを捕らえるのか。金曜日の閉店後にこっそり潜入して、たっぷり体験させていただきました。その様子を、ここでレポートします。

ラクガキ・ドットコムのニシダさんや、アートレスが手がけた、クリエイティビティ溢れるレコメンドコンテンツが何かと話題のECサイト「BEYES」。その初のリアル店舗が今が旬の表参道ヒルズにオープンした。友達のウチに遊びに行って見つけた「何か気になるモノ」をお持ち帰りできる、そんなコンセプトで構成された開放感のあるショップだ。こだわりの品々が並ぶ店内の入り口から入ると、正面に環境装置と呼ばれる「エディット・ウォール」がある。2×1.5mのスクリーンに映し出される美しいモーショングラフィックス。好き勝手に流れる映像は、CCDカメラで捕らえた人の動きに反応して予期せぬエフェクトが起こる。そんな「ビジターとのインタラクションを通じたインテリアとしての映像を生み出そうとする試み」を、さっそく味わってみよう。


“Motion Wall”, Nanikawa and Andreas Mueller

まずは「For All Seasons」がTDC賞を受賞したアンドレアス・ミューラーと、ハイレス!のファウンディングパートナー、フローリアン・シュミットによるNANIKAから、人の動きで湧き上がる「モーション・ウォール」はスモークのように渦を巻き、かろうじて形作られる人型のグラデーションは、予期せぬ他人の動きによっていともたやすく形を変えてゆく。色とりどりの繊細なメタモルフォーゼは、インタラクティビティの自在性を軽く突き抜けて、そこには彼らの言う「ただシンプルに楽しむ“何か”」があるだけだった。


“Skew = Position Of Twist”, Semitransparent Design

そしてシステムのディレクション、ウェブサイトの制作、ポスターデザインも担当したセミトランスペアレント・デザイン。一目見ただけでウキウキを予感させるドットのスペクタクルがキレイ。じっと見てると自分が動かなくてもモーションが勝手に動き出す。「エディット・ウォール」のウェブサイトを閲覧するユーザーの動きもデータ化されているのだ。オンライン/オフラインを違った次元で共有することは、今では直球勝負なのかもしれないけど、タイトルに「Skew=ねじれの位置」とあるように、アウトプットの心得た意外性に驚かされる。デザイン×プログラム×デバイスを華麗にミックスするセミトラ、その一癖あるクリエイティブが直感的な心地よさをそそるのだろう。


“Air Garden”, wowlab + wildcard

続いてはうって変わって、wowlab+ワイルドカードによる静的な「空中庭園」。ふと動き出すゆらめきは、風が吹いたり、花が散ったりのミニマルなインタラクション。前のバージョンでは全ての草花や動物が反応し、にぎやかに動いていたという。止めるところを止め動くところを動かす。そうやってそぎ落とされた作品は、動きのロジックをカラダで感じたときの、喜びのふれ幅が更に大きいものとなる。テクノロジーと日本的な美が混ざり合って環境装置として動く日本画は、おもてなしのための掛け軸のようだった。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE