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「X-COLOR:グラフィティ・イン・ジャパン」展

HAPPENINGText: Yoshihiro Kanematsu

10月1日から12月4日まで、水戸芸術館で「X-COLOR/グラフィティ・イン・ジャパン」展が開催された。“日本のグラフィティ・カルチャーを紹介する国内初の大規模な展覧会”に、日本全国から40名近くのライターが大集合!KANE、KRESS、KAMI、ESOW、DEM、NESM、QPなどなど、「うわ、そこもかよ!」と都市の端々をめぐる彼らが、まっさらなホワイトキューブを思う存分ボムするとどうなるのか?ワクワクのとまらない前代未聞の展覧会を、以下レポートする。

東京から水戸へのショートトリップ、2時間ちょいで水戸芸術館にたどり着く。最初に誇らしげに掲げられているのは、Rammlzeeの「アルファズ・ベット」!一書き一書きを武装化する開かれた武器としてのアルファベットは、オールドスクールなアグレッシブネスへの憧憬を深く思い起こさせる。入ってすぐに気持ちがあがる、最高の舞台装置だ。

いざと奥へ進むと、KANEのデストロイヤルなクルマが目に飛びこんでくる。ぶっ壊れた自転車や機材がゴチャゴチャと積み重ねられ、学芸員が困るほど天井まで塗りたくられた圧倒的なデカダンス空間は、破壊が孕むもうひとつの美しさを突きつけていた。

暗がりのKRESS「マイ・ルーム」を過ぎると、視界は一転明るむ。KAMIによる極太の黒い線とSASUの気まぐれでカラフルなペインティング。不思議な気分でえいやと踏み入れたその先に見上げれば、大いなる黒い一点が僕を見つめている。図ったように置かれた2つの小さなイスに座り、ぼーっとする様子は無垢そのものだ。ここは思わず誰もがたじろぐKAMIとSASUがけしかけた無言の結界なのだった。

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