サターン・スカイドーム

HAPPENINGText: Toria Emery

モーターショーや車のディーラーショップへ行った事のある人であれば、いかにして車メーカーが最新モデルを披露するか良く知っていることだろう。高いプラットホームの上にディスプレイされたり、スポットライトを浴びたり、仕様が書かれたインフォメーションと共に並べられたりする。それが大抵の手法だ。

しかし、サターン・ブランドの新型ロードスター「スカイ」においては、何かもっと違うことを、との要望があった。ロードスターを運転するのは、とても感覚的な体験であり、サターンとそのエージェンシー、サンフランシスコを拠点にするグッバイ、シルバーステイン&パートナーズは、全ての感覚に携わるような、体感的なディスプレイの創作を試みた。その結果が、「サターン・スカイドーム」だった。

元々スカイドームは、比較的シンプルなコンセプトと共に進められた。スカイ・ロードスターを測地線ドームで囲むというものだ。このドームの天井は360度のムービースクリーンに、IMAXシアターとプラネタリウムをクロスさせ、空や雲、梢や星が映し出される。つまり、ドームの中の人は、スカイのドライバーの目を通した世界の美しさと平和を、ただそこに立つだけで体験できるのである。

しかしそのアイディアは、そこからさらに進化した。イマーシブなデジタルビデオを専門とする会社、オブスクーラ・デジタルが活動に加わると、「グッバイ」チームもまた、車の工学技術を披露する方法について考えはじめた。

オブスクーラは、スピードシェイプによって供給される、二次元CADアニメーションを取りいれ、それらを立体的な表面に写像することのできる真新しい技術を実験し続けていた。 その技術がスカイに適用されると、車はまるで、固体の鉄鋼からエックス線視覚に移行していたように見えた。以下の写真のように。

年に一度開催される展示会「ワイヤード・ネクストフェスト」は、スカイドームがデビューするのに完璧な会場だった。輸送機関、エンターテイメント、科学、環境技術など様々な分野において、最新のクールなものを探す人達や、企業家など、全ての出品者達の興味を喚起させるイベントなのだ。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE