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遠山敦展「AND YOUR BIRD CAN SING」

HAPPENINGText: Yurie Hatano

数年前からどういうわけか札幌に住み着いたカモメが、白いカラスのごとく街を徘徊していた夜のこと。ソーソー内にも色とりどりの鳥たちが、訪れる春を祝うかのごとく楽し気にその姿を現わした。遠山敦「AND YOUR BIRD CAN SING」札幌展の始まりである。

ソーソーでは2003年の「LITTLE TWELVETOES」に続き2度目の展示を行う遠山敦。欧州でも注目され始め活動の幅を拡げているにも関わらず、その作品の存在感は唯一無比と評価され、年々ファンを増大し魅了し続けて来た注目すべきイラストレーターである。そんな彼が今回は、近年モチーフとして取り入れている “鳥” の作品を中心に、ここ札幌ソーソーと東京IDDギャラリーの2ケ所において、展示会「AND YOUR BIRD CAN SING」を行う運びとなった。

初日を迎えた5月14日。オープニングパーティには、彼のライブパフォーマンスを見ようと沢山の人が集まり、会場内は立ち見も含む満員の賑わいになる。入口にも、正面にも、右にも左にもそして奥の小部屋にも、至る所に鳥を中心とした作品が並べられ、天井からはモビール作品が吊り下げられた。

それらの鳥は、時に虹の中にまぎれ、時にりんごの形をしたギターにとまる。こんなに沢山の鳥なのに、その色、オブジェクト、印象、絵の表情、全てそれぞれに個性があり、それは例えようもなく暖かい。見ているだけで楽しい。囲まれているだけで明るい。確かに鳥たちは歌っていて、まるで絵の中からその歌が聞こえてきそうな気がした。

遠山氏のライブパフォーマンスは、そんな暖かさの根源の一部を見せてくれた。用意されたのは、壁に掛けられた真っ白な正方形のキャンバスが6つに、絵の具、水、そして手ぬぐい。彼は大胆にも、直接その手に水と絵の具を取り、キャンバスに色をのせ始めたのである。時折そのキュートな笑顔を見せながら、一つずつキャンバスを下ろし、色をのせては手を拭ってまた掛け、という作業を繰り返す。

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