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OFFFフェスティバル 2004

HAPPENINGText: Jose Luis de Vicente

スペインで毎年開かれている、エクスペリメンタル・オーディオと映像の祭典、OFFFフェスティバル2004が、今年も7月1日から3日間、従来のバルセロナから開催地をバレンシアに移し開催された。ウェブやグラフィックデザイン、デジタルアート、そしてエクスペリメンタル・エレクトロニック・ミュージックという分野の最先端を探る国際的フェスティバルの一つだ。

今年は、OFFFとその主催者にとって、重要な転換期だった。過去3回、OFFFはずっとバルセロナで開催されてきたのだが、今年は初めてバレンシアにその拠点を移した。バレンシアもスペインの主要都市ではあるが、バルセロナのように常に世界中から人々が集まるほど国際的に広く知られてはいない。しかし、地域自治体の支援により、プロジェクト自体はより意欲的なものとなった。OFFFのチームは、これまでにヨーロッパ中から訪れていたビジターの数が減ってしまうのではないかと心配していたようだが、沢山のOFFFの常連は、今年もおいしい食べ物、素晴らしい気候、そしてもちろん素晴らしいデジタルアートを楽しみにこの地を訪れた。

フェスティバルは、7月1日からだったが、その前夜には、OFFFでプレゼンテーションや展覧会を行う、世界各国から集まったアーティスト約100人がレセプションパーティに集まった。このパーティは、何故ほとんどの参加アーティストらがOFFFを気に入り、また次の年も参加するのかという理由を気付かされるものだった。とてもフレンドリーで心地よい雰囲気で、誰もが楽しい時間を過ごしていたと思う。またこれは、ウェブを通じてしか連絡を取り合ったことのない、特に遠く離れた街に住んでいながらもウェブなどのプロジェクトでコラボレーションをしているアーティスト同士が直接会うことのできる良い機会でもある。

フェスティバルは、天井から吊るされたサーチライトや、隅のほうに置かれた小さなおもちゃのロボットギャングなど、特別デザインチームによって興味深く手を加えられたバレンシア・フェアの会場全体を使って行われた。

会場は、カンファレンスに2会場、スクリーニングとオーディオビジュアルのプログラム、音楽パフォーマンスにそれぞれ1会場、そしてインスタレーションやグラフィックデザイン関連の作品が展示会場という構成になっていた。このスペースに展示されていたものには、AREA3によるインタラクティブ作品「MOVET」がある。これはスクリーンに映しだされているグラフィックが、人がマイクを通して叫んだり囁いたりした音によって変化するというものだ。


Random Studios

他に驚いた作品は、ランダムスタジオによるインタラクティブなショッピング・カート。その他にもレスレインエリクシール・スタジオによる作品が見られた。しかしこの展示スペースで最も特筆すべき作品は、ジョシュア・デイビスの「ワンス・アポン・ア・フォレスト」でのレトロスペクティブだ。フラッシュの名手として名高い彼は、OFFFの開催1回目からずっとサポートをしているのだが、今年だけは、実際に参加することはできなかったようで、今回は実験的なプロジェクト満載のパイオニア的サイトにある作品全てを展示する展覧会という形での参加だった。

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