第19回ニュー・デザイナーズ展

HAPPENING


開催19年目を迎えたニュー・デザイナーズ展は、各デザイン分野で学ぶ学生たちが、その成果を一堂に展示する毎年恒例のエキシビション。今年もスコットランドなどを含むイギリス各地200のデザインカレッジや大学から総計4000人の学生が参加した。会期はファッション、テキスタイル、アクセサリーデザイン等の前期(7月1〜4日)、そして家具、グラフィック、インテリア、建築デザインの後期(8〜11日)に分けて行なわれた。

私が訪れた後期の展覧会では、ちょうど作品の審査が展示会場の別室で行なわれていたところで、各賞受賞者を決定しだい、発表していた。アナウンスと共に、それまでざわついていた会場が静まり返り、皆息を飲んで次の言葉を待つ。まず受賞者が属している参加団体名が発表され、この段階で漏れた団体から「ハーッ」と失望のため息が流れる。続いて受賞者である個人名が響き渡ると、会場の一角で歓声や拍手が沸き起こる、という光景が一日中続いていた。発表があるたびに会場に緊張感が張り詰めるので、直接関係ない私もドキドキしたが、この展覧会がいかに明日のデザイナーを目ざす学生にとって登竜門的存在であるかが伝わって来た。会場で目が止まった作品を幾つか紹介する。


アンドリュー・P・マーフィーのアウトドア用鉄板焼プレート。

アンドリュー・P・マーフィーの「アウトドア・テッパンヤキ」は、地面の上に直接置き、食卓を囲むような形で座って利用する。イギリス人は夏になると、少しでも太陽が出た時に、直ぐにバーベキューセットを庭にだし賑やかにするのが好きだが、この作品はその鉄板焼バージョンともいえる。二つ折りできて持ち運びに便利なのもポイント(写真の作品にあるように、中央の白いラインで二つに畳むことができる。)


ウルリカ・ヤールの半陶滋製「スターボウル」

ウルリカ・ヤールは、シンプルだが気になるデザインのライトや食器を、発表していた。写真のスターボウルは半磁器製で、石膏の鋳型で作るスリップ鋳造法を使用している。

また、メイン会場の2階では「ワン・イヤー・オン」が、ひっそりと行なわれていた。これはデザイン学校を卒業後、もしくはビジネスを始めて1年以内の卒業生をバックアップし、デザイナーとしての可能性を最大限に伸ばすことを目的とした支援制度で、クラフツ・カウンシルが後援している。前後期合わせて60名ほどが参加し、作品を即売した人もいたそう。


掃除がし易いダイニングセット。テーブルが中央で二つに分かれているのがお分かりだろうか。

独自の視点がユニークなトビアス・フェルトゥスのダイニングセットは、学生時代のアルバイトがヒントになった。「(ウェイターをしていて)掃除する時にテーブルやイスの脚が邪魔でイヤだったから、掃除がしやすいダイニングセットをつくりました。」ご覧のようにテーブルの中心にイスを差し込むと、脚の部分が宙から浮かぶようになっている。

「ワン・イヤー・オン」参加デザイナーたちが、在学中の学生たちと異なるのは、この制度が提供するビジネスのノウハウを身につけていて、自分達から積極的にプレスに声をかけるなど、アピール力に優れていた点。また、自分のイメージを意識した装いをしているのも(ビシッとしたスーツ等)印象的だった。彼らを見ていると、今年の卒業生たちは今後、どのようにビジネス化し、一年後にはどのような作品を見せるのか。興味が尽きないところである。

New Designers 04
会期:2004年7月1〜4日、6〜11日
会場:Business Design Centre
住所:Angel, London
http://www.newdesigners.com

Text and Photos: Sari Uchida

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