シークレット・ダイアリー

THINGS


自営業を営むということは、ここ2年間、周囲で大きな話題となっている。ひとつには、私の周囲にいる人たちの多くが、エージェンシーを介した仕事を辞め、新しい方法を探し始めているということと、もう一つは、ドイツの政治家とメディアが、高い失業率対策のために、“Ich-AG”、つま起業家支援のためのシステムを作ったのだ。以前、このインフォワールドで、ハンブルクの記事を書いていたダニエルも、製品を作り、それを販売するというビジネスで独立することを決めた。今回は、その彼の独立に至る経緯を紹介しよう。

そのきっかけとなったのは、とても個人的な出来事だったようだ。その当時、ダニエルには、ロサンゼルスに住むヘレナという彼女がいて、遠距離恋愛状態だった。彼は、彼女の誕生日のプレゼントに、距離を克服できるような、2人だけのオンラインダイアリーを作ったのだ。それは、データバンクと連携したフラッシュムービーで作られていて、そこで直接メッセージを書くことができるのだ。(ちょっと人には見せられないものが増えると思うが。)

このダイアリーを使い始めて、ダニエルは、「これは自分たちだけで使うのはもったいない。製品になるのではないか」と考え、フリーランスの仕事をやめ、この「シークレットダイアリー」に全力を傾けることにしたのだ。

これを始めるときの彼の思いは、オンラインで単にアカウントだけを売るようなものではなく、実際に手に取ることができ、誰かにプレゼントできるような、もっとリアルな「物」を作りたいということ。もう一つは、その製品を売る、自社のオンラインショップを作りたいということだった。そして「ブランド・イグルー」がそのオンラインショップだ。

目の前には、たくさんの仕事が待ちうけていた。
・フラッシュでのプログラミング
・多様な顧客層にあわせたデータバンクの構築
・シークレットダイアリーと、それを販売する会社である、ブランド・イグルーのアイデンティティの確立
・商標の保護
・シークレットダイアリーのパッケージ製作
・ブランド・イグルーのサイト構築
・オンラインショップの構築
・流通とプロモーションの確保
・ポスター、ポストカード、Tシャツなど、他プロダクトの製作

彼は、友人の協力を得ながら、すべてを軌道にのせるのに約1年がかかった。途中、自信がなくなり、あきらめそうになったこともあるという。しかし、あきらめずに、もとになったアイデアにいろいろな機能や特徴を加えていき、ついにそのダイアリーは、キャラクターや背景をカスタマイズできるものとして、完成した。顔の表情を表示する機能や、アニメーションという形でのギフトをメッセージに加えるという機能もついている。そして最もわくわくする、一番のポイントは、2人のメッセージのやりとりを永遠に残すことのできる、本物の「本」を作ることができるという点だ。

先月、彼は1日14時間、週末も休まず働き、顔色はすぐれず、全くパーティーなどにも顔を見せなかったが、ついに今、「シークレットダイアリー」が完成し、すでにリーズナブルな価格設定で、オンラインでリリースされている。
購入は、今すぐ、オンラインショップ「ブランド・イグルー」で!是非!

Text and Photos: Andrew Sinn from Deco-Vision
Translation: Naoko Fukushi

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