カラー・スペース

HAPPENING


Color Space e-basis, Bertl Mutter, composer, Vienna 14 June 2003


「色とは、目で見ることのできる光。この光は、空間—カラースペースになる。カラースペースでは、あなたの体が光になる。動く、無形の色へと」- ビクトリア・ケルン(2003年)

90年代の初期から、ヴィクトリア・ケルンの作品は、光、色、空間にテーマにしている。オーストリア生まれの、このライトデザイナーは、瞬間を体で感じることのできる作品を生むために、有形物と無形物の壁を超えて融合させる。


Color Space e-basis, Bertl Mutter, composer, Vienna 14 June 2003

ケルンの「カラースペース」は、色のついた光で照らされた空間内で色同士が混ざり合う、光のトレースだ。つまり、プロジェクターの前に、単色のカラースライドを置き、それが長方形の無形イメージを映し出す。幾重にも重ねられた色の混合で、イメージはとても明るく、ほとんど白に近くなって見えるのだ。


Color Space e-basis, Tulga Beyerle, Vienna 25 June 2003

無形の色で染められた「カラースペース」は、プロジェクターと、投影される面の間に位置する。我々は、その中に一歩入ってはじめて、その光を“感じる”ことができる。そうして動かぬイメージは、多色彩の人の影によって動くのだ。訪れた人は、その光と影の交錯の世界と、その無限のバリエーションを体験することができる。そこに、時間と空間はもはや存在しない。代わりに、ビジュアルの新しい世界が広がっている。そういった意味で、このカラースペースは、高いインタラクティブ性を持っている。しかしまた同時に、その光自体も高いクオリティを持っており、その光だけでも、独立した作品として十分な要素を持ち合わせている。


Color Space 203, Nora with Simon, Vienna 8 April 2003

ヴィクトリア・ケルンの、空間を創造するという手法は、光と影、そしてオーディエンスのコミュニケーションを実現している。そういう意味で、この作品はあらゆる壁を超えているのだ。彼女自身では、その相互作用をコントロールすることはできないが。

去年のクリスマスシーズンに、ヴィクトリア・ケルンは、ヴァリエ・エクスポルトによってデザインされたガラスの立方体、「トランスパレンテ・ラウム」で、彼女の最新の「無形アートスペース」展を開催した。有形の建築空間と無形の色空間は、相互に影響し合い、都市風景を変化させた。このカラースペースに、足を踏み入れた通行人は、多色彩の動く光のオブジェクトとしてこの空間にダイレクトに入り込み、現実空間へと色とりどりの影を投げかけた。

カラースペースとガラスの立方体という、2つの透ける素材が、誰も予期しないであろう環境下で、相互に働きあう。都会の忙しい雰囲気は、クリスマス前はさらに色濃くなる。「その動きは、漂う光のオブジェクト、あるいは、古典的建築物の、期間限定の装飾となる。」とヴィクトリアは語った。

そして今年、ヴィクトリア・ケルンは、同様のカラースペースをオーストリアの南側に位置する、クエンストラーハウス・クラーゲンフルトという場所で展示する。今回は、光を反射させる透明なアルミ箔を使い、カラースペースを2つに分けるそうだ。

Victoria Coeln – Farbraumquadrat-2
会期:2003年11月7日〜12月6日
会場:クエンストラーハウス・クラーゲンフルト
住所:Goethpark 1, A-9020 Klagenfurt, Austria
http://www.victoriacoeln.at

Text: Christina Merl
Translation: Naoko Fukushi

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