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スプリングホノフ

PLACEText: Andrew Sinn

今夏、僕の友人の一人であるウイッケは、町外れの小さな村、ノイエンキルヒェンのスプリングホノフという芸術協会で働いていた。初めて彼女のもとを訪れたことが、ランドスケープアートとの最初の出会いとなった。

協会が設立され、芸術家がノイエンキルヒェン近郊でいくつかの芸術作品を制作することを依頼されたのは、1970年代。今そこには、約30の作品が存在し、静かで、幸福そうな人達や、動物や植物に囲まれながら、楽に2日間は、そこで時をゆったりと過ごすことができるだろう。僕は、エリアの地図やバイクが用意されていた、古い農家からスタートすることにした。


Rudolf Wachter, Raumknoten (1978/2003)

この十字の木製作品は、ノイエンキルヒェンの近隣の村の中心に置かれていた。ウイッケは、村の住民は、作品にはいつも注意を払っていると教えてれた。作品は彼らの生活の一部であり、作品が壊れていた場合それらをどう修理するかを議論するのだ。


Timm Ulrichs, Ego-zentrischer Steinkreis (1977)

古い作品の多くには、木や石のような素材が用いられている。この作品には、70年代から伝わる面白い逸話がある。少なくとも6メーターの直径がある、この石の輪を形成するために、自己鍛練として芸術家自身が中心から全ての石を投げ完成させたという。


Ulrich Eller, Hörstein (1995)

きれいに半分にカットされた石の作品。その隙間は約2ミリ。その隙間から反対側をかすかに覗くことができる。また、カットされた部分からは、石がうめいて言るような音を聞くことができる。音がどのように鳴るのか、またどういうエネルギー発生しているのかは結局分らなかったが、これは、石が切断され輸送されてきた時の音が記録されたのでは、と僕は思う。

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葛西由香
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