「E.T.」に登場した自転車

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初めて「E.T.」の映画を観たとき、きっとだれもが、こんな風に空を飛べる自転車があったらないいなって思ったはず。BMXに乗った少年たちが、空を走るシーンは、今でもしっかり記憶に残っている。そんな映画の中で、主人公のエリオットが乗っていた自転車が、日本のメーカーが作ったモノだって御存知? 実は、大阪の今里にある、「桑原自転車」という職人自転車店が作ったBMXだった。

もともと、70年頃からアメリカの自転車メーカー「SCHWINN」などのOME生産を手掛けていて、その後、独自のブランド「KUWAHARA」をスタートした。そして、ちょうどその頃、アメリカのストリートキッズの間でモトクロスごっこが流行ったこともあって、細部にまで拘った職人気質のBMXは瞬く間にその名を広めていった。そんな時期に、製作を開始したばかりの話題映画「E.T.」に、抜擢されるという出来事は起きた
のであった。

スピルバーグ監督が出演する少年たちに、「どんな自転車に乗りたい?」と尋ねると、声を揃え「KUWAHARA BMX!」と答えたのだ。それから、ユニバーサルスタジオから連絡を受けた桑原氏は、一体どんな映画かわからないまま、40台のBMXを送ったという。赤の単色に白のグラデーションが入るというカラーリングも、スピルバーグ監督からの要望で、当時としては画期的なデザインだった。こんな経緯で、映画には欠かせない存在でもあった自転車は誕生したのだった。
それが、なんと公開から20周年の時を経て、300台限定復刻することになった。もちろん、オリジナル同様にクロモリブデン鋼という、BMXのプロライダーが好む素材を使用して。それに、ヘッドパーツ、フォークエンド、ブリッジは、すべてデットストックという本格派。しかも、「E.T.」が入っていたカゴがオプションで付けられるようになっている。

常に新しい自転車作りを追求する職人気質なだけに、昔のモノを復刻するということは過去なかった。それだけ、この一台が特別だということだ。「今後も、人々の心に残るような自転車を作り続けていきたい」と桑原氏は言う。ひとりひとりの個性にあった丁寧な自転車作り、一度乗れば本当の自転車の楽しさが判る、そんな自転車が「KUWAHARA」の魅力。

9月中旬より販売。限定300台、49,800円。カゴはオプションで4,500円。

問い合せ先:クワハラ・バイクワークス
住所:大阪府大阪市東成区大今里南2-11-12
TEL:06-6971-1655
http://kuwahara-bike.com

Text and Photos: Satoshi Ota from Ponchi Design

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