「疾走するアート:フェラーリ&マセラティ」展

HAPPENINGText: Satoshi Ota

4月24日から開催されているこの展覧会は、「疾走するアート:フェラーリ&マセラティ」と題され、イタリアが生んだ魅力的な2つのクルマメーカーを、アーティスティックな視点で捉えなおすという意図が込められている。

『クルマそのものはアートでもなく、人や物を乗せて走る工業製品にすぎないが、そうであっても、フェラーリやマセラティの優美なボディから受ける感興は、美術品を前にしたときの感興から、それほど遠ざかっていないように思われる』と、当美術館の学芸員部長の塩田氏はいう。数多くのクルマメーカーがあり、その中でも、フェラーリやマセラティといった名車を残したメーカーは、日本に限らず、世界中で特別な存在であり、美術品と呼びうる質を備えているのでは。

会場には、独創的、美的というデザイン観点から、ピニンファリーナやジウジアーロといった巨匠デザイナーが手がけた、「フェラーリ・ミトス」や「マセラティ・エルドラド」といった世界に1台しかないものや、自動車史上最高のグランツーリズムカーと言われる、「フェラーリ 250 GTO」など、主に、50〜60年代後半にかけてのスーパーカーが、20台選び抜かれ、展示されている。

「フェラーリ 360 モデナ・バルケッタ・モンテゼモーロ」は、モンテゼーモロ会長個人が所有するワンオフのバルケッタ。これは、モンテゼーモロ氏の結婚のお祝いに、フィアットグループの総帥アニエッリ氏から贈られたもので、低いフロントガラスに、ゴージャスなレザー内装の特注品。

「フェラーリ F2001」は、また今年の開幕戦、オーストラリアGPで、優勝を飾った、シューマッハの、F1マシンもサーキットの興奮そのままに展示。

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