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アティック

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

世界の主要都市にオフィスを設け、グローバルに活動を展開しているアティックが、今月のカバーをデザインしてくれた。今回のデザインも、ロンドンとシドニーオフィスの合作というだけあり、インターネットやメールが飛躍的に発達した今、そのテクノロジーの力を最大限に活用しているデザインカンパニーと言えるのではないだろうか。常にお互いを刺激し合い、多くの人に受け入れられるような解決策を模索、提供し続けているパワフルな彼等の素顔はどういったものなのだろうか?

ご自身のバックグランドも含め、自己紹介をお願いします。

アティック・ロンドンで、デザイン・ディレクターをやっているサイモン・モリソンです。イギリス生まれですが、13歳の時にオーストラリアに移住しました。2つの文化の中で育ったことは、私のクリエイティブワークにかなり有利だと思いますし、そのお陰で、インスピレーションが掻き立てられていることも確かです。パースという町で育ったのですが、その時は地理的に世界から孤立している様な感覚を覚えました。でもそれが、目的を定める力をつけてくれたと思いますし、ほぼ物事から離れた見解というのは、今の私には役に立つスキルになったと思います。また、今活動しているロンドンのチームにとっても、常にフレッシュで革新的でいることができるカギとなっていいます。

西オ-ストラリア・ア-ト&デザイン・スク-ル卒業後、パースとシドニーのデザイン事務所で経験を積み、2年前にシドニーオフィスへ移り、ロンドンへ来たのが去年の事になります。

自分自身を描写してみると、根本的に私はグラフィックで新しい言語を発見することで、他とは違うものを作りたい、と思っているデザイナーだと思っています。

アティックについて教えて下さい。イギリス国内はもとより、ニューヨーク、シドニー等、世界の至る所にアティックが広がっていますね。

アティックは、自分達のライバルよりも勝りたい、と思っているクライアントの為に、その術を見つけることを目的とした世界規模の会社です。「ノイズ」というプロジェクトは、作品へのユニークなアプローチ方法へと繋がっているものだと思います。この「ノイズ」は、クリエイティブな作品の印象的なコレクション以上のものとして認識されています。私達はこれをリサーチと開発のツールとしてとらえています。汚染されていない環境の中で違ったコンセプトやアイディアを体験することによって、そのコンセプトを利用できるわけですし、私達の商業用の作品への、濁りのない革新に繋がっていると思います。私達だけではなく、クライアントにとってもこのようなプロセスに関わっている、ということはとても価値のあることだと考えています。

一つの場所に留まるのではなく、あらゆる場所にアティックファミリーが存在する利点は、どういったものがあげられるでしょうか?

世界のあちこちにオフィスがあることで、高い水準の文化的多様性を、私達のクリエイティブ作品に活かすことができていると思います。アティック内では、スタッフは常にお互いが影響し合い、その地でどうデザインの中のカルチャーを盛り上げて行くかを教え合っています。前にも述べた通り、世界の他の地域で生活し働くことによって得ることができる作品への特典というのを、私は身を持って知っていますし、これこそが全体としてアティックに反映されていると思います。私達の知識の泉が更に湧き出る結果となっている訳です。

現在どのようなプロジェクトを手掛けていますか?

「ノイズ4」が国際的に成功したのに続くように、次のプロジェクトをクリエイティブに進めています。詳しくはお伝えすることはできませんが、このプロジェクトでは、私達が以前発表した出版物と比べて、かなり新鮮なものになる予定です。

今回制作していただいたカバーデザインについて教えて下さい。何をイメージして作りましたか?また、何からインスピレーションを得ましたか?制作プロセス等も教えて下さい。

ファッションは動く有機体である、したがって「シフト」をリファレンスしている、というコンセプトがこのカバーデザインに込められています。これは、シドニーのオフィスで働いているヨロンダと私のクリエイティブコラボレーションのシンプルなアイディアです。ロンドンのオフィスでもチームを設け、スタイル、テキスチャ-、グラッフィックを担当し、シドニーではアニメーションを制作してもらいました。アフターエフェクトでは不可能な、何か現実的なものをフラッシュで作ってみたいという気持ちがありました。この作品は、地球の裏側同士である2つのポイントから持ち寄られた、色、パレート、そしてテキスチュアルのハイブリッドだと思っています。

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