NUMER.02

HAPPENINGText: Jerome Lacote

多くの演説が行われた後は、インタラクティブデザインにおけるプログラミングのポジションについてのディベートが行われた。しかし、空間性というトピックについての次のカンファレンスが迫っていたこともあり、そのディベートに用意された時間は短かかった。

最初の演説者はピーター・チョウ。次元的デジタル環境におけるタイポグラフィーの例を紹介した。MITメディアラボで学んだ経験があるグラフィックデザイナーでもありコンピュータープログラマーでもあるチョウ。次元的環境においておそらく、特にモーションとユーザーインタラクションが結合された時に、純粋なビジュアルフォームの表現的な探究は可能になるだろうという事例を紹介した。


Peter Cho.

その後に3Dリアルタイムについての作品について説明したのは、エティエンヌ・ミニュールエシントイズ(eコマースサイト)やスイムタンク(カルチャーEジーン)等のプロジェクトを紹介した。これらのプロジェクトは全て、3D環境におけるナビゲーションやリーディングについての試用版だ。

カールステン・ウィアーウィルがこの日最後の演説者。プラム・デザインの副社長クライアントパートナーである彼は、オンラインアートとコマーシャルソフトウェアにおける3Dデータの説明を発表した。この説明がただの楽しみの為なのか、あるいは実際に機能を持ったものなのかを自問自答しているようだった。

最終日のカンファレンスでは、カルチャーと評論について話し合われた。コンピューターの表現は、文字を書くことの到来の様な革命的なものだ、ということに演説者達は注目していた。この到来は新しい評論、これからの世代の為の新しい教育、社会の為のインタラクティブデザインのプロセスに関するより良い知識を示唆している。最後には「スクリーンを越えて」というトピックで話し合いが進められた。このセッションでは、現実世界でのインターフェイスについて講演が行われ、ヤシン・アイト・カシとナジーハ・メスタウイ、レジン・ハルターとドロシー・シュエイサー、そしてキャサリン・モリワキとサビン・セイモールが彼等の作品を紹介した。


left: Golan Levin.

これらのカンファレンスが行われる中、2つのメインイベントが夜に開催された。まずはパフォーマンス。このショーでは、パフォーマンスのニーズを満たす為に、アーティストによって明確にデザインされた4つのインタラクティブアプリケーションがカンファレンス出席者に提供された。パフォーマ-は以下のとおり:ジーン・ルーク・ラマルク、ジャッシュ、サーボバルブゴラン・レヴィン

多くの演説者と会い、彼等の意見を聞く、という事に関して、NUMER.02はとても強烈で興味深いイベントだったと言えよう。しかし講演の時間が十分でないことに、いらいらしたこともあったのも事実。もしかしたら若干強烈すぎたイベントでもあったかもしれない。

NUMER.02
会期:2002年4月19日〜21日
会場:Centre Pompidou
住所:17 Impasse Truillot, 75011 Paris
mail@numer.org
https://www.numer.org

Text: Jerome Lacote
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Jerome Lacote

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