NUMER.02

HAPPENINGText: Jerome Lacote

次のスピーカーはヴァレリー・キャシー。海外からの参加で、インターフェイス、ウェブサイト、ソフトウェア等を制作するサンフランシスコにあるペンタグラムというインタラクティブグループのメンバーだ。彼女が着目しているのは、ユーザー主導のデザインにおける重要な要素についてだ。アイディアが持ちうる可能性、コンセプトの実行可能性、そして特にインタラクションデザイナーに彼等の作品の倫理性、社会性、そしてクリエイティブな密接牲のある関係を考慮してもらうよう促すフレームワークによるプロダクトの好ましさ、そしてそれらは結果的に息の長い適切なプロダクトを作ることに繋がるということを説明した。


left: Formalization and Creativity panel. right: Christian Weisser.

続いて演説を行ったのはウェブデザイナーとしての経験を語ったアルノー・メルシエール。フランス人のグラフィックデザイナーである彼は、エリクシール・スタジオの生みの親であり、最近はカナダのバンクーバーにあるブラスト・ラディウスのアートディレクターとして活動している。彼が現在置かれている仕事環境の悪さについて訴え、彼なりの宣言を説明した。約20にも及ぶウェブクリエイターにとっての適した働き方のティップスを紹介した。これらのティップスはウェブチームとプロジェクトマネージメント間の関係を示している。

最後に演説を行ったのはウェブプロデューサーのジーン・セバスチャン・コルソン。BABEL@STALとしての大規模なウェブエージェンシーでは、どのようにウェブデザインが制作されているかについて説明した。生産性と創造性のマネージメントの難しさを語ったコルソン。このセッションの締めとして、全ての演説者が彼等の見解についてディベートを繰り広げた。

次のトピックは倫理的には弱いが、よりビジュアル的である:インタラクティブシネマについてだ。講演者が彼等の作品を見せながらこのセッションは行われた。クリス・ハレスは、彼自身が用いている時空間リンク(適した時に適した場所をクリックすること)、画面スペースの使用と分割スクリーニング、強い因果関係、主題ジャンルの特定の選択が含まれると説明した。

それに相反するかのように、自身の驚くべく環境を紹介したのはルーク・コルシェンヌ。360°ビデオを録画し投映するための方法論を確立した。また、マイケル・ナイマークは、インタラクティブビデオで彼が行った試みを発表した。ザビエール・ボイサリーは想像上のボールルームを紹介。これは3Dリアルタイムで確認することができるインタラクティブな作品だ。

最終ディベートでは、物語ストラクチャーとインタラクティブストラクチャ-を調節する難しさについて論議が交わされた。

2日目に行われた最初のカンファレンスでは、サマリーにおけるクリエイティビティと形式化、そしてクリエーションとしてのプログラミングについて話し合われた。


left: Olivier Koechlin and Maurizio Poletto.

デジタルツールについて演説を行ったのはオリビエ・コーチリン。デジタルメディアはコードやソフトウェアから成っているだけではなく、コンセプトからも成り立っているというのが彼の考えだ。このコンセプトは方式(アルゴリズム)によって表現することができる。ジーン・ジャックス・バージは、インタラクティブコンテキストにおける音の重要性について演説をした。


left: Ed Burton, Golan Levin and Ulf Harr. right: Casey Reas and Ben Fry.

ゴラン・レヴィンは、インタラクティブソフトウェアと、それに伴うオーディオビジュアルパフォーマンスのデモンストレーションを行った。ディレクターとしてのソフトウェアは厳密すぎているだけではなく限界がある、という点からコーダ-になった経緯を説明し、一つの点だけを描くのではなく、スクリーン上のピクセルを全てコントロールできるようになりたい、ということを主張した。ベン・フライとキャシー・リーズは最近、MITメディアラボ(米国マサチューセッツ工科大学 建築・計画スクール内に設置された研究所)での独自の研究を発表した。

プロセッシングという新しいプログラミング環境を紹介したフライとリーズ。これはイメージ、ムーブメント、インタラクションのプログラミングのための環境だ。アイディアの確立の為のスケッチブック、プロトタイプを制作する為のツールであり、クリエーションのコンテキスト内のコンピュータープログラミングの原理を収得する為のコンテキストとも言えよう。

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