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ウーマンズ・アート展

HAPPENINGText: Natalia Volodina, Timo Linsenmaier

しかし、それに相反するかのように世間の反応は冷たく、1913年にあるジャーナリストは、ナタリア・ゴンチャロワによる展覧会について『女性の性がアーティスティックなものになろうとする動きは、実に不愉快である。社会のモラルを壊している』と批判した。


Liubov Popova, Construction, 1920, Oil on canvas, 106.8 x 88.7 cm

キュビズム運動の黎明期に、女性がアーティストコミュニティで自分の地位を完全に見つけるには至らなかった。また、批評家はキュビズムの流れの中で、まったく新しい基準を確立することを余儀なくされた。リュボーフィ・ポポーワ(1889-1924年)は、エクステル、ステパノバ、ゴンチャロワ、タトリン、マレーヴィチらとともにカンディンスキーから始まった、具象から抽象へという新たな表現をさらなる高みへと発展させ、ロシア・アヴァンギャルド(ロシア構成主義)を創設した。19世紀以降に始まったこれらの前衛芸術運動は、確立された社会のルールに疑問を呈し、女性が望む仕事をする権利を訴えた。


Ekaterina Zernova, A Giant of Agricultural Machine Building, 1931, Poster, 50.8 x 71.1 cm

1917年のロシア革命以降、自由な表現は長い間抑圧され、国家が定めたプロパガンダ芸術の普及が続いた。当時、芸術家が制作しなければならなかった公式の芸術と彼らが望んでいた非公式の芸術の間でどのような偏りがあったのかを知るのは興味深いことだ。したがって、本展では、社会主義リアリズムと私的な絵画の間の分裂が明らかにされている。公式プロパガンダがジェンダーの問題を埋没させ、国の目標のために機能する中立的な芸術システムの中で、エカテリーナ・ゼーノヴァやブリーベジンのようなアーティストはプロレタリアアートの先駆けとなった。だが、彼らにとって、ジェンダーの問題はあまり重要視されていなかった。


Anna Leporskaya, Woman with a Vase, 1934

時が経つにつれ、アートの境界線は徐々に無くなってくる。70年代から80年代、いわゆる「デタントの時代」には、多かれ少なかれ自由な芸術表現を行うことができた。アーティストは今や、豪華な旧ソ連の形式ばったスタイルに反抗し、さささかな人生の魅力へも目を向け始めた。良い例は、もはやアカデミーの伝統に立たないナタリア・エゴルシナや、いわゆるソビエトアンダーグラウンドに属していたリディア・マステルコヴァの「コンポジション」が挙げられる。

今日、ソビエト連邦の終焉後、アーティストはついに表現の自由を手に入れた。展示の現代的なパートに入るには、博物館の廊下を公共の地下鉄の入り口に変えるナサレンコのインスタレーション「通路」を通過する必要がある。パノバの巨大な写真「苦しい生活」では、その題名にもかかわらず、台所用品を拡大してフォーカスし、まったく異なる見方が示されている。ナチョヴァによるインスタレーション「受胎告知」は、小さな人工呼吸器を使って赤いプラスチックの天使を爆破し、白い服を着た聖母像に呼吸させることで、ジャン・フーケによる同じ絵の新しい解釈を作成し、伝統的な聖書の物語の焦点を女性の知覚に対する批判的な見方に変える。メアリーは、中空に浮遊する器を展示し、キリスト教のような支配的な男性の宗教の疑わしい性格を明らかにしている。施設自体として美術館に疑問を投げかけているのは、チャンスラーによるタイトルのない小さな写真。この作品は暖められた時にのみ透明になる化学物質で表面が覆われており、触ることで作品が現れるもの。芸術作品との物理的な接触を許可しない通常の美術館の慣習とは対照的に、それを要求するという、従来の展示方法に対する批判的態度を示している。

数少ないビデオインスタレーションの一つは、サラコバによる「サスペンス」だ。これは、壁に妊娠中の女性のビデオを投影したもので、同じ女性の絵画と交差している。したがって、従来のメディアと現代のメディアの二つのメディア間にハイブリッドオブジェクトを作成している。展示室の最後には、展覧会の終わりだけでなく、年代順の終わりも告げる。オブチョバの布のオブジェ「刺繡シネマ」は、私たちが最初に見た14世紀の最初の衣装を参照している。古い技法を使って新しい現象を説明し、時代の合間にオブジェクトを作成し、展示を何度も何度も読む回文のような効果を与えている。

Women’s Art
会期:2002年3月1日〜2002年3月31日
会場:State Tretyakov Gallery
住所:10 Lavrushinsky Lane, Moscow
TEL:+7 (0)95 238 1378
https://www.tretyakov.ru

Text: Natalia Volodina, Timo Linsenmaier
Translation: Sachiko Kurashina
Courtesy of Tretyakov Gallery

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