BUTT & KUTT

THINGS


ゲイの人たちに対する新しい見方が、2001年5月に発行されたBUTTを含む、2つの「カルト」スタイルの雑誌にある。この1月にBUTTの姉妹雑誌としてスタートしたKUTTは、オランダ語で膣という意味。BUTTを作ったのは、ジョップ・ヴァン・ベネコムとゲルト・ジョンカースという二人。このBUTT男達と夕食を共にした後、今度はKUTTを設立した三人の女性に会った。ジェシカ・ジゼル、マーティン・マルダー、マジョレリン・ラムズである。結果的に私は、レズビアンとは言わずにとても男らしい人の女性バージョンと、ホモセクシャルのBUTTに会った訳である

両雑誌とも面白くミックスされたインタビューのスタイルをもっており、しゃれた挿し絵もなかなかである。内容がゲイ一色なのは仕方ないとしても、私から見ればそれは、まっすぐな人が何かしら興味深い事柄をフィーチャーしているように見えなくもない。特にどちらの雑誌からも、今っぽい雑誌のデザインの匂いを感じずにはいられない。私たちがまるで、長い間忘れられており、しかしだからといってミスがある訳でもない何かふしだらで発行部数が少ないカルト雑誌を扱っているようにも若干感じさせられるのだが、ゲイとデザインに関してはクールを極めている。

商品ではなく、人にフォーカスを当てている決して高級大衆紙ではないこの二つの雑誌。インタビュー記事を読んでいると、まるで本人に会っているかのような気分にさせる。世界的に有名になること、あるいはまったくの無名になりえる可能性もあるが、両雑誌ともいつもインスパイアリング、かつエキサイティングな内容だ。この二つの雑誌についての良い意見を読者のみなさんに持っていただく為に、情報収集をする段階で私は、BUTTとKUTTの様な方法で進めて行くことにした。それは、メールを通してジェシカとゲルトにインタビューをすること。できる限り正直に、そしてダイレクトに答えてもらった。

ゲイについて書く時の面白さとは何ですか?また、この雑誌はただゲイである、という以上のものなのでしょうか?

ゲルト:そうですね。ゲイでいることは楽しくも真剣なビジネスです。それについて書いている、と言ってもいいでしょう。しかし、この雑誌はただ、ゲイであるということだけについてのものではありません。この雑誌に関わっている全ての人たちがゲイなだけなのです。あらゆる事柄が、BUTTでのインタビューで扱われます。ゲイでいる、ということは神様がお与えになったことですし、エンドレスに話すような大袈裟なことではないのです。

ジェシカ:自分の好きなレズビアン雑誌を作るのに、私の時間の全てを費やすことができるのは、私にとっていいことです。でもこれはレズビアンだけ、という枠を超えています。私たちは内容のダイレクトでパーソナルな路線の濃いインタビューと素晴しい写真を組み合わせて興味深い雑誌を作りたいのです。

男性、女性のゲイの違いは何ですか?私が気付いたのは、女性がセックスについて話す時、若干ですが、普段よりやや優しく洗練されているような印象を持ちました。それについてのあなたの意見はどうですか?

ジェシカ:何とも言えませんが、私たちは私たちなりの見解からこの雑誌を作っています。

ゲルト:彼女達の間にそれほど多くの共通点がない、というのは明らかだと思います。それが、同じ性を持つ物同士がくっつく、というゲイというものだからです。ですからこのように、二つの異なる雑誌があるわけです。違いが何か?と聞かれても少し困ってしまいます。もちろん私は巨大な違いがそこにはあると思います。その違いを示している雑誌もありますし、そうでないのもあります。

少なくともこのニ冊の雑誌は本題として近しい友達を扱っているように思えますが、これはコンセプトの一部なのでしょうか?あるいはもっと偶然的なものなのでしょうか?

ゲルト:偶然ですね。友達だけに話を伺っているわけではありません。私たちは、いろいろな人と平等の立場で話をしてみたいと考えていますし、もしかしたらこれがフレンドリーな印象を与えるのかもしれませんね。「巨匠、本日は私どもの為に貴重な十分間をさいていただき、誠にありがとうございます。恐れ入りますが、最新作品についてお聞かせ願いませんでしょうか?」といったような、堅苦しいインタビューは嫌いです。真剣にインタビューをしたいと思っていますし、もちろん題材も真剣なものを扱うことで全てが平等になると思っています。私たちがインタビューしてみたいな、と思う人たちは新しい本、芝居、何かを売り出すからでは決してなく、好奇心をそそるような趣があるからです。ですからインタビューをした人は前からの知り合いが多いわけです。そうじゃなかったら、彼等が面白いだなんて知る由もないでしょ?

ジェシカ:友達だけとは限りません。以前フィーチャーしたクロエやk8はそうではありませんし。私たちはただ、クールな女の子を扱いたいだけですね。

次の質問にはどのようなリードをつけますか?「あなたにとってこの雑誌に最も理想的な内容はどういったものですか?個人的に知り合いではない人の中で、フィーチャーしたい人は誰ですか?」

ゲルト:私たちの理想とは何か?の例としてのマガジン。

ジェシカ:もちろん、マドンナを取り扱ってみたいです。

女性として、今回の雑誌は最初のクールなレズビアン雑誌だと思いますか?ホモセクシャルの雑誌やその他関連したものは多数ありますが、女性ものは忘れられがちのように思われます。

ジェシカ:自信を持って最初のクールなレズビアン雑誌だと言えます。

では男性にとって、BUTTはクールなホモセクシャル雑誌と言えるでしょうか?

ゲルト:ゲイ雑誌は多すぎる、と言ってもいいでしょう。あるいは一般的に売る為の話題で埋め尽くされた雑誌が溢れ過ぎていると言った方がいいかもしません。大して言うことが無いにもかかわらず、ニューアルバムをリリースするからというだけでインタビューをされていたり、とか。またゲイ雑誌の多くは、実際には理想とはかけ離れた何か怪しげな、あるいは微妙に魅力的な理想の男達で溢れ返っています。顎ヒゲがきれいにはえていて、胸毛の無いこざっぱりした男達の写真で埋め尽くされたゲイ雑誌は、私たちが考える限りすぐに窓の外に捨てられてしまうタイプのものです。私たちが求めるのは本物の男達。本当の話。そして本気の執念です。実際、ゲイ雑誌の世界にはもっとかっこいい雑誌が存在しています。アメリカの「ストレイト・トゥ・ヘル」は、私のお気に入りでもあります。

最後になりましたが、ちょっとアンフェアな質問をさせてください。KUTT春号の中で、あなたの好きな記事はどれですか?またそれは何故ですか?

ジェシカ:クロエの記事です。それは、KUTTを出版するにあたって彼女が一番適した人材だったからです。

ゲルト:難しい質問ですね!ジェレミー・スコットが個人的に好きなので彼の記事ですね。短いものですが、ジョンジー・ソー・バーギソンの記事も好きです。とても可愛い記事になったし、それに彼のバンド「SIGUR ROS」は大、大、大好きです。ライアン・マックギンレイの記事も良かったです。ピュアなセックスについての記事だったし、私のお気に入りの素晴しい写真も多かったですし。もちろん、シーコ・カリエールの男の子らしい言葉の数々で埋まった記事も好きです。古臭いけど的を得ている決まり文句みたいなものを最後に残します、「これは素晴しい雑誌を作り上げる記事の見事なコンビネーションだ。」

Text: Bastiaan Rijkers from Lemon Scented Tea
Translation: Sachiko Kurashina

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
スネハ・ディビアス
MoMA STORE