ゴールデンプードルクラブ

PLACE

「ゴールデンプードルクラブ」はハンブルグにある僕のお気に入りのクラブ。歓楽街から5分程離れたとろに位置し、ハンブルグ最大のエルベ川に面した小さな建物だ。その隣は「ハーフェンシュトラーゼ」とよばれる不法占拠者が住む家がいくつかある。


そのクラブはバーと廊下、小さなステージが置かれている狭い部屋があるだけの非常にこじんまりしたところで、どういうわけかゴミがそこらへんに転がっている。曲はイージーリスニングからエレクトロ、グラムロック、ハウス、ポップス、ドラムンベース。何一つとしてシリアスなものはない。常にどこかアイロニックなのだがいい味をだしている、たぶんそれがプードルクラブの方針なのだろう。そんな良いセンスがキッド・コーラ、ティム・ラブ・リー、リチャード・デバインのような国際的に有名なスーパースターから8ドッジィモト、DJコズィやエゴ・エクスプレスのようなローカル・ヒーロー的な人たちまでを再三に渡り惹き付けてきた。
あまりにも店内が込んでいて、且つ天気がそんなに悪くない場合には、ほとんどの人間はクラブの外に張り巡らされている屋根の下につっ立っていたり、大きな階段に座り込んで、対岸の港や通り過ぎる船を眺めている。

「プードル」の隣には小さな駐車場もある。不法占拠者たちが住む家の真隣であるにもかかわらず、そこに素晴らしく豪華なビジネスパーティを開くためのようなアルミニウムグラスのパビリオンが建てられた。実はニュメーディア関係者の会合である「ハンブルガー・ダイアログ」のオープニングパーティーだったのだが、誰かがシャンペン一杯付きニセ招待券を配ったので、パーティーの主催者は不法占拠者がやって来るのではないかと恐れ、大人数の警官が配置された。

「プードル」では8時頃に穏やかなパーティーが始まった。少人数が、ビジネスパーティーへ侵入するのを防ぐための防護柵のことろに留まって飲んでいた。ニューエコノミー・ドリームに対する皮肉な声明のように、クラブの真ん前にあからさまに取り付けられたマルチメディアスクリーンには彼らが特別に用意した映像が写し出されていた。そのフィルムではスーツ姿で色付きプラスティックのヘルメットをかぶった2人の男がパワーブックG4を装備し街を闊歩していた。そして以下のようなばかばかしいスローガンが読まれる。「我々の革新的なアイデアがいかに効果的かをお知りになればきっと興奮なさるでしょう。」「我々のサイトを是非訪れて下さい。ダブリュー、ダブリュー、ダブリュー、ドット、、、、」、「さらなるサイト利用者を獲得し、長時間彼らを惹き付け、リピーターになっていただくことを目指します。」等々。バックにながれる曲(イージーリスニングのループ)は「ハンブルガー・ダイアログ」のサイトから部分的に用いられたものだ。

ビデオがくり返し放送され、異様なデコレーションと化した警察官と少々暴動的なムードの人々という、まさしく異様な夕べであった。しばらくしてビデオ放映が終わる頃、警察官と防護柵は取り払われパーティーは終演を向えた。

Text: Andrew Sinn and Daniel Goddemeyer from Deco-Vision and Parasonic
Translation: Eriko Nakagawa

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