八谷和彦 エアボード起動実験

HAPPENINGText: Akira Natsume

その日はエアボードのスカートの前部に浮力があつまらず、前につんのめるような形で滑る所まではいけれませんでした。(残念)しかし、その起動実験を通して、このプロジェクトがただのコンセプチャルアートにとどまらず、「遊べる!」という実感とともに、これこそ、今のアートだと深く感動をしました。

今回のエアボードプロジェクトはテクノロジーが過激に生活に侵食してくるハードな今という時代に、現実にあるにもかかわらず空気のようにみえない集合意識の沸点と、頭の中に確かにある現代人特有の浮遊感(だけれども誰も本当に浮かべれるとは思っていなかった)を結びつけ、かぎりなくつまらなかったあの映画でキラリと光ったエアボードを通じ、ジェットエンジンで人々や社会に点火、爆発させる亊に成功しました。

ポストメディア論の一説「集合意識の産物であるアートは、現実の地殻が弱くなりすぎて、現状を支えることができなくなったときに、意識の表面に吹き出してくる」は、今回のアートプロジェクトにもあてはまるのでは?

2日続けて「この企画はバカな行為で、アートじゃないよね。」というような声もよく聴きましたが、いいたい亊は解ります。その他の沢山の社会的に影響をおよぼせない他のアート作品とこの作品が等価値だなんて僕自身思われたくはありません。素晴らしい2日間でした。でもこんなにすごいんだから、格好悪いのは分るけど、「芸術は爆発だ!!!!!!!!!!!!!!」と一言ぐらい言って欲しかったな。

でも、八谷氏の作品は社会とアートの関係ってこうきれいであるべきだよね、と単純に思わせてくれます。5日は、あいにく起動実験は失敗、銀色のスカートが解け出してしまい、本当にビビりました。

5日の日は実験は失敗、あまりの高温の為に耐熱用スカートが融解。これが起動実験なのだということが、あらためて思い起こさせる。次ぎの成功を望みたい。

もうすぐ、ドイツにエアボードは出品されるらしく当分の間、日本には戻ってこれないらしいのですが、もう一度起動実験を行う日程が決まりました。まさか本当に爆発はしないよね。

八谷和彦 エアボード起動実験
日時:1999年10月11日(月・祝日)14時スタート
会場:世田谷美術館:創作の庭(地下一階のテラス部分)
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
TEL:03-3415-6011
入場料:無料

Text: Akira Natsume

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葛西由香
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