フリフリカンパニー

PEOPLEText: Mayumi Kaneko

昨年の1月に活動を開始したばかりのフリフリカンパニー。わずか1年の間に様々なメディアに取り上げられ、今最も注目されているデザインカンパニーだ。キュートなキャラクターとクールなグラフィックが混在する彼らの作品は、日本国内はもとより海外の展覧会でも高く評価されている。代表で自らもデザインを手掛ける程亮弼氏に、フリフリカンパニーの活動や、11月に原宿で開催される展覧会などについていろいろとお話を伺いました。

まずはじめに自己紹介と、フリフリカンパニーの活動について教えてください。

どうも、フリフリカンパニー代表の程亮弼です。先ずは自己紹介、僕は中国人の父親と日本人の母親の愛の結晶としてそして華僑三世としてこの世に生を受けました。生まれは大阪ですけど。(この華僑三世ってのは僕にとってもの凄く重要。)

神戸の中華学校で多感な青春時代を過ごし、普通の県立高校に通い、自分の民族性に悩み始めたりもしました。その後、多摩美術大学絵画科油画専攻入学し、作品制作を通して自分のアイデンティティを探る事を始め、在学時分より現代美術作家として主に東京で活動してました。

卒業後更に自分のアイデンティティーを探るべくアジアを半年間放浪(日本→中国→チベット→ネパール→タイ→日本)し、チベットに三ヶ月ほど滞在し、通訳(僕は中国語OKなんで)しながら、多くのことを学び貴重な経験をしました。(この時の経験が現在の僕を形成したと言っても過言ではないです)帰国後、植木職人(いわゆる肉体労働です)をしつつ現代美術作家活動を再開しました。

そんなこんなで制作の日々が過ぎ、あの阪神大地震がおこりました。実家全壊、親族は幸いにも皆無事だったのですが、長男としての責任感から就職を考えゲーム会社に就職、作家活動休止宣言。2年間会社に在籍後フリーへ転向し、1998年、佐戸川美穂(妻)と共にフリフリカンパニー結成。現在に至るって感じです。
なんか履歴書みたいになりましたが、おおまか(?)に言ってこんな感じです。

フリフリカンパニーの活動ですけど、もうホントにいろんな事やってます。面白いって思える事ならなんでもチャレンジしちゃいます。
現在はゲーム制作、イラストレーション、エディトリアルデザイン、ウェブデザイン、映像制作、VJ、MD関連などなどで、「CWCI」と北米における営業権の契約を交わしています。

現在5人のスタッフがいるそうですがそれぞれどんなことをやっているのですか?

程亮弼:経営はもちろん営業も5人の中ではメインでやってます。制作は主にコンセプトデザインと3D制作、ゲーム制作を担当しています。フリフリタンカでもコンセプト&トータルデザインを担当しました。

佐戸川美穂:アニメ・マンガスタイルでのイラストレーションを描いています。フリフリタンカではキャラクターを描きました。

伊藤逸雄:カワイィ〜&カッコイィィ〜イラスト描いたり、ゲームキャラクター制作したり、多分世界一遅い連載ウェブ漫画『逆境!6B番長』なんかも描いています。

山田タロウ:エディトリアル担当です。印刷物や本の制作、またグッズ制作なども行っています。

イワサキオサム:映像編集とウェブデザイン、そしてショップ担当です。素書きHTMLやFLASH制作が得意です。また、パーティでVJもやっています。

5人それぞれ受け持ちのジャンルがあるので、作品制作時は仕事ごとに僕、程亮弼が誰と誰をコラボレートさせるかを決定し、コンセプトを伝えて担当者が協力して責任を持って制作しています。

なぜデザインユニットではなく有限会社という形態にしたのですか?

フリーのクリエイターがただ集まった、いわゆる「デザインユニット」ではなく、立ち上げから有限会社としたのも社会の中で信用されるモノづくりをしていくための宣言として有限会社としました。

フリフリという名前が印象的ですが、その由来を教えてください。

一言で言って“適当”です。歩いててふと思い付いた名前なんです。それまでいろいろとカッコイイ名前も候補としてあがったんですけど、どれも記憶に残らなかったのでNGにしました。
フリフリだけは最後まで頭から離れなかったんですよ、もう、コレだって思い命名しました。フリフリという名前は一度聞いたら忘れられないし、かっこよくないってことも重要なんです。フリフリって聞いて固定したイメージが浮かばないし、自分達がいろいろと変化しやすいような名前ってのもお気に入りです。

これまでに「FOTUS」など様々なクライアントワークを制作していますが、結成して1年でこれほどまでの成功を収めている秘訣は何だと思いますか?

ん〜、フリフリは成功していると言って良いのでしょうか?(笑)
会社経営は先ず三年と言われてるので、この一年の活動だけでは成功だとは思っていません。経営者としてはあんまり楽観視してません。クリエイターとしてもまだまだ頑張らないといけないなって思ってます。

秘訣は何かって聞かれると困るんですけど、強いて言えば「ノリ」だと思います。。

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