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ラディカル・ビューティ

THINGSText: Ammon Haggerty

「アートの歴史は、簡単に言えば、醜いものの中に入り込み、利用することで醜悪さをとり除いているだけのことである。結局、私たちの考える不快な、醜悪な“何か”とは、私たちの周りにあるのではなく、私たち自身の心の内側に存在するものである。私たちは自らの意識と共に活動しているのである…。物事が醜いのか、美しいのかではなくありのままの姿で見られるように、意識をオープンにせよ。」- ジョン・ケージ(ラディカル・ビューティから抜粋)

僕達が創造する産物によって新たに定められていく社会環境。テクノロジールネッサンスという背景に於いて今僕達は新世紀を迎える、千年の縁に立っている。そんな中、新しい生活の手本となるべく、僕達の互いに影響し反応し合う向きや世界の見方というものは変わっていく。そこで思い浮かぶのが「テクノ・フューチャー」の独創者、ニック・フィリップだ。

僕が始めてあった頃のニックは「アナーキック・アジャストメント」というブランドという枠に留まらない、人の心を開かせるような「コンシャス・クロージング」の立案者だった。「アナーキック」は一つのカルチャー、生活の手段であって、そして「アナーキー」が生活のポジティブな面であり、創作に不可欠な部分なんだというメッセージまでも含んでいる。無限の創作源を備えるニック。そんな彼は周りにいるみんなに、その彼のもつ豊かな創造性を吹き込んでいるかのようだ。

今までで遥かに優れているといえるニックの「ラディカル・ビューティ」というプロジェクトは完成するまでに1年以上もかかっていて、3Dモデリング、アニメーション、レンダリングやCG、インターフェイスデザイン、ビデオ、DJミックスによるサントラと、計りきれないほどの時間を費やしている。様々なメディアソースがサイケな幻覚を起こさせるようなランドスケープへと巧みに溶け合う、知的でシュールなアンダーワールドへの旅。

サンフランシスコの「Om Records」からでているこのCD-ROMとCDを含む2枚組みセットは、有名エレクトロニックアーティスト達による、空想的なサウンドスケープのノンストップミックスをフィーチャー。参加アーティストは、Tパワー、ミックス・マスター・モリス、ジョナ・シャープ、スカイラブ、PFM、ジャーニーマン。

Text: Ammon Haggerty
Translation: Mariko Takei

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