ネット・ボイス・イン・ザ・シティ

THINGSText: Chibashi

’90年代に生きる僕たちのためのバイブル登場!

アスキー出版局から発売された『ネット・ボイス・イン・ザ・シティ』という本は御存知だろうか?と言ってもまだ、出版したてのホヤホヤだから、並んでいない本屋さんもあるに違いない。この1冊を読めば’90年代カルチャーの原点がひと目でわかるというスゴイ本だ!
SHIFTではこの本の著者、金田善祐氏に、彼がアメリカの西海岸で見て聞いて肌で感じてきた90年代のムーブメントについて、ロングインタビューを試みた。

今、このテキストを読んでくれているあなたになら、きっとこの本は百科事典やバイブルより貴重な本になるに違いない!ちょっと長めだけど、その金田氏の言葉をこのインタビューで感じとってくれると嬉しい。そして是非本屋さんにダッシュしてゲットしてほしい。そう、あなたもこのムーブメントの中にいるのだ。

まずは、この本『ネット・ボイス・イン・ザ・シティ』は’90年代の”今”という時代に向けて出されたわけですよね。まず執筆に至った経緯をお伺いしたいと思います。

第三書館で『サイバー・レボリューション』という本をつくったんです。それは1995年の10月のことだったんですが、その頃YMOのテクノドン・ライブの美術監督をやっていた高間剛典さんが、僕が本を作っている最中に一言電話で言ってくれたんです。それは僕が彼に「なぜ、デジタルカルチャーの方に入っていくのか?」という質問をした時に、一種のムーブメントみたいなものが、’90年代のアタマぐらいから、サンフランシスコなりベイエリアなり、西海岸を中心に起こっているんだ。『デジタル・レボリューション』と呼ばれるようなムーブメントがあるんだと言うんです。

当時日本では、商業的に『マルチメディア』と呼ばれることは多かったわけですが、’60年代のヒッピー・ムーブメントや、’70年代のパンク・ムーブメント、’80年代のニュー・ウェーブのような、文化としてのレボリューションがあったり、ムーブメントが今起こっていると教えてくれたんですね。それで僕は『サイバー・レボリューション』を出版したのをきっかけに、そのムーブメントを自分の目で確かめるために渡米したわけです。
それは過去のムーブメントをすぐに飛び込んで見逃さなかった人達がいたわけです。そういう意味で、自分もそういう新しいムーブメントが起こったら、直に見に行こうと思ったというわけなんです。

それで、取材をした内容を本にまとめられないかなと思っていた時に、デジタル・カルチャーの雑誌『cape X』(現在休刊)の編集長だった福岡さんが、やりましょうと言ってくれて、一応内諾を得たわけです。
それがきっかけですね。


エレクトリック・メディアとコミュニケーションとの結婚を探求している、ホット・ワイアードのマネージング・エディター、ジェリー・ピーターソン。

いつころ渡米したのですか?

’95年10月に『サイバー・レボリューション』が出版された後で、11月23日(Windows 95の発売日!)です。3カ月見て歩いて、色々な形で、『WIRED』のエグゼクティブ・エディター、ケビン・ケリーから始まって、元『モンド2000』の編集長、R・U・シリアス、『デジタル・ビー・イン』を作っているマイケル・ゴズニー、サイーボーガニックの連中とか、一通り会ってきましたね。


『デジタル・ビー・イン』のオーガナイザー、 マイケル・ゴズニー。

この本では向こうのアンダーグラウンドのシーンについても結構紹介していて、ひとつは『ジーン』というミニコミ・カルチャーがあって、マガジンのジンだけとってジーンとなったわけですけど、それは全米で数万種類出ているんです。このジーンをインターネットで紹介している『ジーン、ファクト・シート・ファイブ』っていうのがあって、そこのジェロット・ポアという人に、ジーンのコアな考え方は一体なんだってずうっと何回も何回も聞いていったら、彼は最後に “Unity through Diversity”って言ったんだよね。僕は『多様性を通しての調和』って訳したんだけど、それがジーンを通してのカルチャーの流れなんじゃないかって教えてくれたわけです。

今のアメリカっていうのが、日本もそうだと思うけど、色んな多様性があって、要するにボディ・ピアスや、タトゥー、ゲイやレズ、LSDやエクスタシーをやる人もいればマリファナだけっていう人もいて、色んな多様性が出てきている時代です。そういう多様性を認めて調和していく。お互いを尊敬しあうようになっていくっていうポリシーがシーンには流れているんだと彼は言っていたわけ。それを聞いて僕は思うんだけど、未来のビジョンとしてはそれが一番正しいだろうなと思うわけです。

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