佐藤雅晴 展「HANDS—もうひとつの視点から」

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佐藤雅晴《Hands》(2017年) © Estate of Masaharu Sato

国内外で高い評価を受けるなか、2019年に45歳の若さで惜しまれながら亡くなった佐藤雅晴の映像作品展「Hands—もうひとつの視点から」が、六本木蔦屋書店内のギャラリースペースにて、2021年6月21日から8月29日にかけて開催される。

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佐藤雅晴は、日常風景をビデオカメラで撮影した後、パソコンソフトのペンツールを用いて実写をトレースする「ロトスコープ」技法でのアニメーション作品の創作に長年取り組んできた。佐藤にとってトレースとは、対象を「自分の中に取り込む」行為であり、作品は制作過程においてデジタル機器を活用し、自らの身体である「手」をつかって、膨大な枚数の作画をこなしながら生み出されていったものである。

本展では、佐藤が生前に残した数ある作品の中から、人が世界と関係を結ぶために用いる様々な『手』の行為 — 猫をなでる手、入れ歯を洗う手、恋人にふれる手、ページをめくる手、おもちゃで遊ぶ子供の手など — 33もの「手」のシーンを描いた映像作品『Hands』(2017年)を中心に、書店内のギャラリーという空間を活かし、新たな視点から再構成し展示する。

誰かの手に触れることも、誰かと集い語り合うことまでも制限されるコロナ禍での日々の中、『Hands』は、鑑賞者それぞれにとって、大切な誰かのことや自身の命に想いを馳せ、混迷する世の中においても自らの日常に立ち返らせる指標や、その先へと向けられる希望へと繋がるのではないだろうか。

佐藤雅晴 展「Hands—もうひとつの視点から」
会期:2021年6月21日(月)~8月29日(日)
時間:11:00~20:00 ※予告なく変更の可能性あり
会場:六本木 蔦屋書店 2F BOOK GALLERY
住所:東京都港区六本木6丁目11−1 六本木ヒルズ
主催:六本木 蔦屋書店
企画:大垣美穂子、imura art gallery、KEN NAKAHASHI、Estate of Masaharu Sato
https://store.tsite.jp/roppongi/

Text: Editor

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