「ウォーホル 1968」展

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Andy Warhol, Marilyn in Black and White, 1962 © Andy Warhol Foundation for the Visual Arts / ARS, New York / Bildupphovsrätt 2017

Andy Warhol, Marilyn in Black and White, 1962 © Andy Warhol Foundation for the Visual Arts / ARS, New York / Bildupphovsrätt 2017

1968年、アンディー・ウォーホルが最初に個展を行った美術館は、ストックホルム近代美術館だったことはご存知だろうか。当時、その展示は親米の広報活動だと批判されると予測されたが、人々の意見は2つに分裂する結果となった。「ウォーホル 1968」展は、彼がその時に開いた展覧会のことであり、また彼にとって重要な年であった1968年の観点から、彼の全作品の複雑さをひも解いていこうとするものでもある。

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1968年までアンディー・ウォーホルのアートはマスメディアや消費者主義に向けた魅惑と嫌悪の融合であった。彼の広告業界での下積みから、ウォーホルはこの社会の商業的なメカニズムを理解していた。何か単調でつまらなく、無関心に見られていたものは彼の心の鏡にはアートとして映しだされて見えていたのである。



1968年という年は政治的、文化的にスウェーデンや世界が乱れていた時代であり、ウォーホル自身にとっても劇的な年であった。彼はストックホルムの展覧会が終わって数ヶ月後、ある殺人計画の被害者となるのである。その事件の後すぐに、彼のアートへの活動は少しずつ新しい方向へ移り変わっていった。ウォーホルは彼の作品を更に商業的に計算高く仕上げ、彼のサインは数多くのメディアで発信されるトレードマークへと変化していったのである。



「ウォーホル 1968」展は1968年の展覧会を再訪するようなつくりとなっている。現在では有名となった牛の壁紙や展覧会の壁写真、言葉の引用や論評が、マリリン・モンロー(1962年)やブリロ・ボックス(1964年)、チェルシー・ガールズ(1966年)、テンフィート・フラワーズ(1973年)、電気椅子(1967年)、毛沢東(1973年)、ボディービルダー(1982年~1987年)などの博物館のコレクション作品と共に集められている。

ウォーホル 1968
会期:2018年9月15日(土)〜2019年2月17日(日)
開館時間:10:00〜18:00(火・金曜日20:00まで)
休館日:月曜日
会場:ストックホルム近代美術館
住所:Slupskjulsvägen 7, Skeppsholmen, Stockholm
料金:80 SEK
TEL: +46 (0)8 5195 6292
https://www.modernamuseet.se

Text: Editor

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葛西由香
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