六本木アートナイト 2025

HAPPENINGText: Sébastien Raineri

大規模なインスタレーションや目玉展示に加え、六本木アートナイト2025は参加型体験、アクセシビリティ、協働にも重点を置いている。ワークショップやパフォーマンス、インクルーシブな取り組みなど多彩なプログラムが来場者に直接体験を促す。「インクルーシブ・アート・プログラム」では、あらゆる年齢層や能力を持つ観客が完全に参加できるよう、バリアフリーのツアーや体験をオンラインでも提供。このプログラムは、アートがすべての人に開かれた都市という舞台を再構築するというフェスティバルの志を体現している。


ソ・ナンジェ《ポロシウム》

参加こそが本フェスティバルの精神の中核をなす。公共空間や提携会場では、観客が自らの声や動き、創造性を捧げられるインタラクティブなインスタレーションやワークショップが用意されている。サーカスパフォーマーのソ・ナンジェと共にモニュメントを共同制作したり、打楽器アンサンブルTAGOのリズミカルなストリートパフォーマンスに参加したりと、来場者はパフォーマーと観客の境界線を超えるように促される。


TAGO《韓国の鼓動 ドラム・シャーマン》

さらに、教育プログラムや地域密着型プログラムがイベントの幅を広げている。子ども向けワークショップ、家族向けイベント、アーティストトークは世代を超えた対話を育み、将来の観客層を育成する。地元企業や機関との連携により、アートは都市の社会・経済構造に組み込まれ、六本木は市民の想像力を育む実験場へと変貌を遂げている。

六本木アートナイト2025は、東京を代表する最も重要な文化祭典としての地位を再確認する。本イベントでは、アートがギャラリーの枠を超え、街そのものに命を吹き込む。「都市とアートとミライのお祭り」をテーマに、巨大なパブリックアート、大胆なパフォーマンス、参加型プログラムを結集させることで、創造性が都市生活を形作る変革力を示し、アートが多様なコミュニティや世代をつなぐ共通言語となる場を創出する。

六本木アートナイト 2025
会期:2025年9月26日(金)〜28日(日)
会場:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
TEL:050-5541-8600
https://roppongiartnight.com

Text: Sébastien Raineri
Translation: Saya Regalado
Photos: Courtesy of Roppongi Art Night Executive Committee

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