カンヌライオンズ国際広告祭 2012

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

デザイン部門では、日本から5作品がゴールドを受賞した。JR東日本の「行くぜ東北」(電通)、アド・ミュージアム東京の企画展「THE ULTRA ASIAN」(電通)、 海野海藻店の「Design Nori」(I&S BBDO)、Google Chromeの「OK GO-ALL IS NOT LOST」(博報堂)、メニコンの「MAGIC MENICON 1DAY FLAT PACK」(PARTY)だ。

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ダイレクト部門とプロモ&アクティベーション部門、2つの部門でグランプリを取った今年注目の作品は、アメリカンエクスプレスの「SMALL BUSINESS GETS AN OFFICIAL DAY」。小規模ビジネスを助けるために、様々なマーケティングツールを提供したこのキャンペーンは、社会現象にまでなった。その結果、アメリカでは、SMALL BUSINESS SATURDAYが公式の日となり、プロモーションは大成功を収め、そこが評価されて2つのグランプリにつながった。

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ソーシャルメディアの時代にあって、広告業界とSNSの結びつきは今後益々強固で多角的になっていくだろう。それを確信させたのが、全部合わせて100種類ほど開かれたセミナーだ。フェイスブック、ツイッター、YouTubeなど、今外せないソーシャルネットワーキングサービスもプレゼンテーションを行い、多くの人の注目を集めた。

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フェイスブックは、同じような志向を持った人のグループに対して効果的なマーケティングができると説き、ユーチューブは音楽業界との友好的な関わりについて説明し、ツイッターは今までは考えもつかなかった人たちが繋がるため、大きな可能性があると訴えた。3つの主要なSNSのセミナーで共通して強調していたのは、効果的なマーケティングとは、エモーション×日常生活が重なるところであり、それはSNSが最適であるということ。それ以外にも、多くのセミナーで、ソーシャルメディアとマーケティングの関わりについて言及された。

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カンヌ広告祭には、歌手やアーティストなどの有名人も参加する。K-POPアイドルの「2NE1」(トゥエニィワン)がオープニングセミナーに登場。建築家のザハ・ハディド、元アメリカ大統領のビル・クリントン、OKGOのボーカル、ダミアン・クーラッシュなどの有名人が、それぞれのプロジェクトや広告・マーケティングについて語った。

デジタルマーケティングの役割と重要性は、今後さらに大きくなっていくだろう。デジタルの進化と変化はとりわけスピードが早い。来年は、全く新しい手法の広告がカンヌを占拠しているかもしれない。

カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル 2012
会期:2012年7月17日(火)〜23日(月)
会場:パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ
https://www.canneslions.com

Text: Wakana Kawahito

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