カルロス・J・ゴメズ
PEOPLEText: Kyoko Tachibana
今後、インタラクティブメディアと社会の変化の関係はどうなると思いますか?
社会がインタラクティブメディアと急激に関わることとなる、というのが、私の経験から考える推測です。コンピューター技術が普及する勢いが着実にあり、これは私たちの日常を変えることとなるでしょう。
地球温暖化や情報過多、プライバシーの問題など、考えなければいけないことや解決するために試みなければいけないことが沢山ありますが、マルチ分野に渡るデザインがこれらの問題を解決してくれるのに役立つと思っています。しかし、それに必ずしも満足しているというわけではなく、現在のビジネスのあり方や消費の仕方では、維持し続けることはできません。消費者は、この地球に長く住みたいのであれば、自らの姿勢を変えることが必要です。とは言うものの、この変化に何らかの役割を果たせることができるので、インタラクションデザイナーにとって良い将来に思います。
今月のシフトカバーのコンセプトについて教えてください。
最近ずっとアニメーションを作った事がなかったので、原点に戻りたいと思いました。VJセットではよく1秒2秒のものをループで流しましたが、抽象的な幾何学模様や色で遊びました。シフトというテーマで考えると、2つのアイディアが浮かびました。ひとつは、移動の動きで、もうひとつは、色の変化という考えです。これらのアイディアをアニメーションで結びつけ、シフトという言葉を表示し、動きが何重にもなる色でデザインすることにしました。
あなたの家族、もしくはあなた自身がベネズエラのカラカス出身と伺いましたが、ベネズエラやカラカスとはどんなところですか?クリエイティビティーという点において、ベネズエラのどのようなところがあなたに影響がありますか?
ベネズエラは、私の出身です。まだ家族のほとんどがそこに住んでいます。ベネズエラはとても天気がよく、緑がどこでも沢山あり、一年中暖かい春のような天気であることが、一番恋しく思うところです。景色は変わり、ターコイズブルーのカリビアン海のビーチのすぐ隣には、雪がつもっている山々が連なります。現在の大統領が人々の暮らしを分けてしまっていますが、普段は幸せにくらしている人々がほとんどです。
私は、ベネズエラの太陽と、景色、その色にとても影響を受けています。そして、アルマンド・レヴェロン、ヘスス・ソト、カルロス・クルーズ=ディエズ、などの地元出身の有名ネイティブアーティスト、そして、私の母校をデザインした建築家のカルロス・ラウル・ビラヌエバにも影響を受けています。
これからのプロジェクトについて教えてください。
これからは、都市、環境、携帯端末としてや埋め込んで使用するコンピューターなどに関するプロジェクトにもっと関わっていきたいです。マイクロコントローラーやセンサーに繋がれたサイトで、WiFiサーバーを使用するアーバンインスタレーションのためのアイディアもいくつかあります。
もう一つ現在やってみたいアートプロジェクトは、とても大きな、ひとつの都市くらいの規模のもので、技術はあまり必要ありませんが、制作するにはお金も時間もかかりそうです。アーバニズムや建築、インテリアデザイン、お店やイベントなどの分野でクライアントのためにデザインの仕事をしたいです。ですが、今のところお願いされているのは、携帯端末でのプロジェクトがほとんどです。
日本でもいつかプロジェクトをやってみたいですね。これで、今まで関わってきた場所に実際に行く事ができます。そして、パートナーと共に、自分自身のスタジオを持ちたいです。
Carlos Javier Gomez
住所:Apt 8-d, 17 W 54 Street, New York, NY 10019
TEL:+1 212 765 4364
https://www.med44.com
Text: Kyoko Tachibana