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サウンズ・フロム・ジャーマニー 2005

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

さらに、セニョール・ココナッツのアトムTMは、O-Crestでも「アトムTM VS ピンク・エルン」で演奏。長年の盟友、ピンク・エルンと並び立つ姿は好きな人にはたまらない光景。演奏は渋すぎるアシッド・テクノだったが、この人たちが演奏すると歴史的な意味も含めてなにやら説得力がある。

ここまで、観てきても奇跡としかいいようがない出演者達で、音楽を国や地域で分けるのは相応しくないとは思うが、あえて分類した時のイギリスやアメリカと一味違うドイツ音楽の特異性と豊かさに気付く。

この二日間に渡るイベントの最後に登場したのは、クラフトワーク、CANから連なるジャーマン・エレクトロニック・ミュージックの実験性とポップさと狂気を孕み、なおかつ強靭なオリジナリティーを獲得し表現するマウス・オン・マーズ。もう一方は、ジャーマン・エレクトロニカという至極曖昧な枠組みのなかに収められたがゆえに、いまいち正当な評価を受けていないと思えるラリプナ

イベントのトリを務めたマウス・オン・マーズは、過去三回、マリア・オストバンホフ、昨年のメタモルフォーゼそして、今回と見てきてどれも異なった印象で、ライブ・ステージ・パフォーマンスの実力をいかんなく発揮。最後に演奏した「Frosch」は感涙モノだった。

今回出演したアーティスト達が決してドイツを代表しているのではないだろうが、ドイツのポップ・エレクトロニック・ミュージックの今を語る上で重要なアーティスト達であるのは確かだろう。さらに、彼らの音楽に触れ、また周辺の音源やアーティストを探求していくと、日本、そして世界的な音楽の潮流のようなものが垣間見えてくる。デザイン、アート、音楽など文化的な側面からドイツという国をプレゼンテーションする「日本におけるドイツ年 2005年-2006年」フェスティバルを機により重層的かつ多面的で刺激的なシフトのテーマでもある “ボーダーグラウンド・カルチャー” を知る機会にもなるだろう。

SOUNDZ FROM GERMANY 2005
日時:2005年5月2日(月)、3日(火)18:00〜
会場:Shibuya O-East/Shibuya O-Crest
住所:東京都渋谷区道玄坂2-14−8
TEL:03-5458-4681
主催・企画:東京ドイツ文化センター、大阪ドイツ文化センター、HEADZ
https://www.faderbyheadz.com

Text: Yasuharu Motomiya
Photos: Miho Kakuta
Interpreter: Takashi Sasaki

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