リトル・レッド・ライディング・フード
PLACEText: Peta Jenkin
メンズウェアのセレクションには、ベルリンのデザイナー、フィアマによるスウェットシャツ素材のスーツ、イギリスのレーベル、ホームコアやマーダールによるTシャツやフード付きトップス、そしてラヴィス・レッドのジーンズなど、フォーマルツイストのストリートウェアがある。
今年の2月に開かれた公式な開店式は、ベルリンで2年に1度行われるファッション・トレードショー、ブレッド&バターと合同して行われた。
女の子は黒光りしたケープをまとって、身の毛のよだつようなシースルーのマスクをし、黒いヘリウム入りの風船をもった「黒ずきんちゃん」になった。客がドリンクをちびちび飲みおとぎ話の奇怪なショーに引き込まれる中、彼女達は静かにその間を歩くのだった。また、おばあさんでさえも、ちいさなかわいい花のブーケットを持って仮装していた。しかし、彼女は期待されていたのだろうか、という疑問が一つ残った。
Window decolation.
イベントでは、ベルリンのライブアクト・ポップノーネーム(コンパクトレコード)によるミュージックが店の前のマーブルチェックの廊下で披露され、リトル・レッド・ライディング・フード・コレクティブからのアーティストが集合した。フォトグラファーのティナ・ウィンクホースは、店の中にある照明ボックス上に、すばらしく気味の悪い写真のシリーズを展示し、それらは今でも店のインテリアの一部として永久的に保存されている。
Window decolation.
ベルリンが冬のコートを脱ぎ捨て、暖かい季節に変わろうとしている今、 2005年のサマーシーズンにはリトル・レッド・ライディング・フード・コレクティブがどんな風に私達を楽しませてくれるのか、とても興味深いところだ。現在は、ナイキとの共同運営による上流のイベントが行われている。ベルリンの最も大きなデザイン・フェスティバルの一つであるデザインマイへの参加で、このイベントはコレクティブのおとぎ話の本、併合したファッション、ビデオ・プロジェクションやミュージックなどの、最新の章を披露することになるだろう。
リトル・レッド・ライディング・フードの哲学は、ただのおとぎ話のナンセンスを越えている。古き忘れ得ぬ物語りが新しい未来像を呼び起こす場所で、夢の世界に出入りする楽しさを提供しながら、それは着実にベルリンの創作領域に足跡をつけているのだ。
Little Red Riding Hood Store
住所:71 Friedreichstrasse, 10117 Berlin
TEL:+49 (0)30 2045 5619
https://www.littleredridinghood.de
Text: Peta Jenkin
Translation: Yurie Hatano
Photos: Peta Jenkin, Joachim Wagner
