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メゾン・ルージュ(赤の屋敷)

PLACEText: Linlee Allen

6月のオープニング以来人々の会話の話題となっている、バスティーユ地区に建てられた新しいアートスペース・メゾン・ルージュは、フランスのアートシーンにおいて権威とされている、アントニー・ド・ガルベルトという名の男により設立された。このアートスペースが成功した一番の理由は、多様な作品セレクションによるこのプレミア展であることは間違いないだろう。

この屋敷の一番の見どころを選ぶとしたら、ダイニングルームとトイレを分ける廊下のような小さなスペースだ。この10メートル立法の四角いスペースには、7羽のハトの剥製(マウリツィオ・カテラン作)がドアの上に潜んでいて、驚きを隠せない人々の笑い声が聞こえてくる。そこをくぐり抜けると、こんなものが見えてくる:60年代の家具で埋めつくされたリビングルーム、本棚の上に置かれたマーク・ニューソンのミニチュア椅子、ジェニー・ホルツァーの額、写真作品などなど。

全てが全て他にはない体験であり、イームズのイスやフィリップ・スタルクの造形、バスキアの展覧会などのような手の込んだディスプレイよりも遥かにこの展覧会は勝っている。これを確かめるには、会場の地下にある最後の部屋を見てほしい。そのベッドルームには、アフリカ人の頭蓋骨と、ガラスの棺の中に入った処女のような聖者が置かれ、ベッドの全ての角には、マットレスの上を跳ね回る女性の反復映像が流れているテレビモニターがわざと置かれている。アートのためのアートという名のもとで、全てが自然に存在している。

L’intime, behind closed doors
会期:2004年6月〜9月26日
時間:11:00〜19:00(木曜日21:00まで)
会場:La Maison Rouge
住所:10 bd de la Bastille, 75012 Paris
TEL:+33 (0)1 4001 0881
https://www.lamaisonrouge.org

Text: Linlee Allen
Translation: Ryoko Ogino
Photos: Linlee Allen

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