パレルモはファッションのエリア。ファッションに興味がある人は、必ずと言っていいほど、パレルモの動きに注目している。パレルモ自体がひとつの小さな街のようになっており、そこで活動する人同士もとてもオープンなため、お互い顔見知りだ。しかし、そこにある輪はかたくなに守られているので、残念ながら新参者のスペースはない。それでもパレルモは明るく、見上げれば青い空が広がっている。

パレルモに流れている空気も、どこかコスモポリタン風。ここで活動するファッションデザイナーが制作する作品も、心なしか外国風で、パレルモを歩いていると、まるで国際空港にいるような気分になってしまう程だ。独自の言葉や建築、そしてビジョンがあるのがパレルモ。ひとつの独立した、しかしどこよりもハッピーな国家のようだ。

去年辺りから、パレルモの鎖国はさらにその強さを増している。この動きは３年前から始まり、カフェやデザインショップ、そしてアート・ギャラリーなどを中心に広まっていったとか。新世代とも言えるデザイナーがパレルモに集結し、彼らにとっては初めてとも言える、自分を表現できる少数民族居住地区を作ってしまったというわけだ。

彼らの、世界規模で活躍したいという野望を反映してか、パレルモには「パレルモ・ハリウッド」や「パレルモ・ソーホー」といった通りまでお目見えするほど。驚くべき速さで成長を遂げたパレルモ。現在は、部外者がとけ込めるような余裕はまったくない程、独特の雰囲気を醸し出すエリアとなった。ここでは、私達の上には太陽は昇らないようだ。

Buenos Aires Museum of Modern Art
住所：350 San Juan Av., Buenos Aires
TEL：+54 4361 1121
https://www.aamamba.org.ar