「ポケット」展
「ファッションでのポケット」というセクションでは、装飾的、そして機能的なものとして、どのようにファッション・デザイナーがポケットを使用してきているかを紹介。軍服からカーゴパンツまで、様々なファッションでのポケットがフィーチャーされている。
そして最後に紹介する「映画の中でのポケット」というセクションは、かなり奇妙なアイディアから生まれたコーナー。大量に設置されたモニターに映し出されているのは、有名な映画の数々のシーンをミックスした映像。「オリバー!」から、マルクス兄弟のコメディ「オペラは踊る」まで、ポケットを必ず見つけることができるシーンが集められている。
また、会場の壁にはデニムのポケットの数々が。ポケットそれぞれには、ゲームボーイ・アドバンスSPが入っており、まるで遊んでみて、と言っているかのよう。
とにもかくにも、何かしらの強い願望が胸の奥に残ってしまう、そんな不思議な展覧会。ポケットの歴史を振り返るのがこの展覧会のコンセプトだが、同時に本展は潜在的に、好奇心に溢れていることをアピールしつつも、プレゼンテーションとしての説得力の弱さや希薄さが、かなり感じられるもののような気がした。またそれが、正統な文化的評価というものよりも、何かもっとメディア的にぱっとした注目を集める方法があったのではないか、という印象をもたらしているようだった。
Pockets – An exhibition from GameBoy Advance SP
会期:2003年3月28日(金)〜4月4日(金)
住所:51 Poland Street, London W1
https://www.nintendo-europe.com
Text: Tim Spear
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Tim Spear
