フランソワ・コルテス「神様に感謝」
THINGSText: Jerome Lacote
僕は昨日、MK2ランブトー劇場で映画を見た。そこで上映されたフランソワ・コルテスのショートフィルム作品「Gracias a Dios」(神様に感謝)にはとても感銘を受けた。
フランソワ・コルテスは、ベルナール=マリ・コルテスの兄弟にあたる人物。ベルナール=マリは、フランスではとても有名な劇作家だ。また、建築家、ディレクター(ステージ・マネージャー)としてもその名を知られている。フランソワがこの6分間映画を制作したのは1999年のこと。美術館の警備員が、夜中にニカラグアの歴史をスペイン人の征服から最後の国内革命へと戻してしまうというものだ。
何だかまるで、暗い部屋の中で3つのアクションが劇を構成している。ものすごいエフェクトを使用しているわけではない。俳優が一人、真っ黒な背景とミニチュアの中に佇んでいるだけ。僕はかえって、こういったインパクトにヤラレた気分になった。言葉じゃなくても、流血シーンを使わなくても、戦争の場面を見せなくても、ニカラグアが置かれている状況を描写したり、スペインやアメリカの開発途上国支配主義を非難したりすることは可能なのだ。
この作品は、MK2ランブトー劇場公開されている。もしこの劇場に脚を運ぶ機会がある際は、劇場近くのポンビードゥ・センターで開催中のフィリップ・スタルク展も覗いてみよう。
MK2 Beaubourg
住所:50 rue Rambuteau, 75003 Paris
TEL:+33 (0)8 9268 1407
https://www.mk2.com
Text: Jerome Lacote
Translation: Sachiko Kurashina
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